ハルびらきで「真・茨木童子」上演!茨木童子をもっとPRしてもいいんじゃない?と思える話

はい、茨木ジャーナルです。

3月26日27日に開催される第2回「ハルびらき」について、一つ前の記事で紹介しました。
【茨木「ハルびらき」3月26・27日開催 ―今年も届いた春のクラフト便り】の記事参照。

中央公園の南グランドで開催されるハルびらきは、たくさんのクラフトブースやグルメブースが出展していますが、茨木市役所側にステージも設けられます。
その中で、3月27日(日)には茨木市の方にはぜひ見ていただきたいステージがあるので、紹介します。

茨木童子の劇がハルびらきで上演されます!

ハルびらきパンフ裏

お芝居【真・茨木童子】
日時  2016年3月27日(日)13:00~13:45
場所  中央公園南グランド ハルびらき会場ステージ

メディアでも活躍なさっている、山口敏太郎さん原案のお芝居「真・茨木童子」が、ハルびらきのステージで上演されます。山口さん原案の全32ページにも及ぶ大作を、地域伝承の活動をする茨木市在住・端(はし)はる子さんが、茨木市の「劇団からふる」と一緒に脚色、創立15周年を迎える茨木の「劇団からふる」の皆さんが上演します。

茨木童子全身

「茨木童子の本当のお話を、広く知ってもらいたい」という端さん。

「茨木童子」は茨木市でもナンバープレートになっていたり、ふわふわになっていたり(イベントでふわふわになってますよね)と活躍中です。さらに最近ではゲーム中のキャラクターとしても有名。広く知られるのはいいけれど、本当の話もちゃんと伝わってほしいとの思いから、今回のお芝居上演となったようです。

せっかくの機会なので、端はる子さんに「茨木童子」のことや地域の伝承についてお話を聞いてきました。

茨木童子の話って知ってますか?

まずは、改めて「茨木童子の話」を端さんに語ってもらいました。

「茨木童子は、水尾で生まれました。母親のお腹に16ヶ月いて生まれてきた子で、生まれたときすでに、髪の毛もしっかり生え、歯も生えていました。ただ、その歯は牙のようで、童子を産んだ母親は、恐ろしい顔にショックを受け、父親が童子を捨ててしまうんです」

水尾で生まれたという童子ですが、彼が遊んだといわれている木が水尾のほうに残っているのだそうです。

「捨てられたのは床屋の前で、運よくそこで拾われた童子は大切に育てられ、やがて床屋の仕事を手伝うようになります。ある時、童子は誤ってお客さんの顔を剃刀で傷つけてしまい、とっさに出た血を舐めるのですが、そのときの血の味が忘れられなくなってしまうんです。それでまたお客さんの顔をわざと傷つけるようになってしまって、悪い噂が立ってしまいました」

kk姿見橋

「ある日、童子は茨木川に映った自分の姿を目にするのですが、そこに映ったのは、鬼の顔をした自分の姿。童子は茨木を離れて京都へと旅立っていきました」

茨木童子が、川に映る自分の姿を見たという橋の跡が、茨木高校そばに残っています。
【茨木童子が自分の顔を見てショックを受けた「貎見橋(姿見橋)」跡」-茨木の風景-】の記事参照。

なぜ茨木童子の話を伝えたいの?

茨木童子の話は、このあとも京都での話などが続いています。

女性と見まごう美しい顔の・・と形容されることの多い茨木童子ですが、京都を舞台にした話の中でも、女性に化けて人間を騙す場面などが出てきます。また、そのときに鬼であることがバレるのは、川に映った姿が鬼だったからだとか、争いのときに腕を切り落とされるのが、剃刀の刃だったとか、茨木での童子の話を思い起こさせられるような話です。

茨木童子顔アップ

ゆるキャラの赤いまんまる顔のイメージがありますが、昔から残っているのは「青の鬼」という茨木童子。今回のお芝居でも「美しい顔立ちの」とか「青のイメージ」という部分は大切に、脚色されているようです。

そもそも、どうして端さんは「茨木童子の本当のお話を伝えたい」とお芝居をすることを考えたのでしょう。

きっかけは「八日市は妖怪地」

「最初のきっかけは、滋賀県の八日市(今の東近江市)で開催された妖怪のイベントです」と端さん。何気なく出かけた『八日市は妖怪地』というイベントで、「妖怪を通して町おこしをしよう」という人たちとの出会いが、今の活動のきっかけです。

「妖怪って、それにまつわる話も残っているのがおもしろいなぁと思って。その土地に残ってる昔の話は好きだし、今は都会になっている場所に残る昔の風景を想像してもおもしろい」と話します。

妖怪の話は、「忌みごと」として扱われてしまいがち。
子どもに夢のある話を聞かせたいと思うからか、敬遠されたり、結末をハッピーエンドに傾けてしまうこともあります。けれど端さんは、伝承されている話には意味があると言います。

昔の話を伝えていく意味

「昔話には、昔の生活が見える」と端さん。

昔には、生活が貧しくて、たくさんの子どもを育てるのが苦しいから『間引く』ということがあったのが現実。伝えられる話には、何かの理由があり、理由があったから伝承されているのだと端さんは言います。

「河童の話もそう。教養的なことがあったり、『それは妖怪のせいだ』としてしまってなんとなく収まることもあったりするんだと思います」と言い、
「口伝的なかたちで伝わることで、語る人によって話が異なることもあるかもしれないけれど、そんな伝え方もいいと思うんです」と端さん。

「茨木で育った子が、どこかの土地へ行ったときに、自分の街のこととして話せたらいいなと思うんです。『茨木?何もないで』ではなくって」

茨木童子正面

茨木童子って、もっと自慢していいんじゃない?

最後にお芝居の見どころを聞きました。

「鬼って異形なものなんですが、鬼ってなんだろうって考えてみてもらったら。実態よりも、心の中に本当の鬼というかなぁ、人のいじめる心みたいなものがあると思うというか。そういう部分を感じてもらえたらと思います」

端さん

お芝居で使う衣装も小道具も、すべて手作りしたという端さん。劇中で茨木童子が持つ刀も見せてくださいました。

茨木童子の刀

「茨木童子って、名前がついている鬼って珍しいんですよね。もっと掘り下げていろいろ知りたい。こんなにキャラクター性が際立っていて、伝承の場所がちゃんと残っている鬼って珍しですよ。物語もあるし・・・」と、鬼の話、茨木童子のことを熱く語ってくださいました。

これからやってみたいことなども、たっぷりと聞かせてくださった端さん。
端さんのお話を聞いていると、「あれ?茨木童子のことって、もっと誇りをもってアピールしていいんじゃないか?」と思えてきました。

書ききれないほど、たくさんの興味深いお話を聞かせていただきました。端さん、ありがとうございました。

皆さんも、ご都合があえばぜひ、3月27日(日)のお芝居「真・茨木童子」を見に行ってはいかがでしょう。

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