オーダー続々!手づくり好きなママたちの、丁寧な手しごとがステキ。
はい、茨木ジャーナルです。(※2017.8.31追記あります)
先日、養精中学校近くの「寺子屋 茨木童子」というレンタルスペースで、手作りワークショップと販売のイベント「La Festa Estiva for kids」が開催されていたので、訪ねてみました。
【2017年8月に茨木市で開催されるイベントまとめー!】の記事で8月のイベントをまとめていて、この中で手描きのポスター写真と一緒に紹介しているのが「La Festa Estiva for kids」です。
訪ねると部屋の中では、元気いっぱいの子どもたちがそれぞれ好きなように過ごしていて、なんともゆるやかな雰囲気。
「午後からは落ち着いたんですけど、午前中は人でいっぱいでした」と主催する「Cinque Amiche(チンクアミーケ)」の安田佳奈さん。
ブース出店している皆さんは、子どもを持つママさんたち。「寺子屋茨木童子」のイベントスペースは和室なので靴を脱いであがります。「子どもがゴロンと横になることもできるので、親も子もストレスがありません」と、小さい子どもを連れてのイベント出店にピッタリなのだとか。
Cinque Amiche(チンクアミーケ)って?
「La Festa Estiva for kids」を主催するハンドメイドユニット「Cinque Amiche(チンクアミーケ)」は、子どもの幼稚園でのつながりなどを通して知り合った仲間たち。「5人の女ともだち」という意味があります。
大きなイベントへの出店もいいけれど、せっかくだから自分たちでやっちゃおう!と始めたのが「La Festa Estiva for kids」です。
ママたちの「手」から生まれた商品たち
どんな商品があるのか見せていただくと、どれもとても完成度が高いっ!どんな手づくり品が並んでいたのかを、お聞きした話と一緒に紹介しますね。
「持ち物に名前を書く代わりに」と考案した消しゴムハンコ
子どもの持ち物に名前を書くとき、ハンコで押していけたらなぁと作ったことが始まりで、いろんな消しゴムハンコを作って販売している安田佳奈さん。Tシャツやぽち袋など、消しゴムハンコの活用術を提案しています。
以前、郵便番号マークと文字入りの手づくりハンコを封筒に押して、郵便局へ持っていったときのこと。
そのハンコのイラストを見た郵便局の職員さんが「私にも作ってほしい」と頼んでこられた、というからビックリです。トントンとハンコを押す気軽さと、手描きの温かみが人気のようです。
「一人で手作りするのも楽しいけど、イベントで他の人たちと手作りの話をするのも楽しい。大きなイベントだと『ブースを商品で埋められるか』『当日、子どもはどうしたら』と心配もある。だったら、自分たちでやっちゃおうかって感じで開催したのがこのイベントです」と話します。
布選びから丁寧に、大人の目線で作る小物
もともと服飾関係の仕事をしていた松岡由香さんが雑貨を手作りし始めたのは、幼稚園のバザーがきっかけです。そのときに作った小物入れは、ちょっとずつアレンジを加えながら、今でも販売している人気商品。レトロ感のあるヨーロッパテイストの小物作りをしています。
形にすることの楽しさに目覚めてからは「大人の目線で見て、持ちたいと思える雑貨」を作ろうと考えて、布や材料選びにも丁寧に時間をかけています。大量のオーダーが入ると忙しくなりますが「自分が本当に作りたいものを作る、と決めているから、楽しいんです」と本当に楽しそうに話します。
スタートしたのは「作ることが楽しい」という思い。さらにイベントでいろんな人と出会ったり、誰かのために作ることを通して、ますますハンドメイド生活を楽しんでいらっしゃるようです。
技術を学び、ママのペースで制作
この日、子ども向けにプラ板のワークショップをしていた樋口智子さん。たくさんの子どもたちが色とりどりのプラ板アクセをつけていました。販売しているアクセサリーもプラ板からできているのですが、レジン処理をしているのでぷっくりと仕上がっていて、とってもキレイ!
もともと絵を描いていた樋口さんは、通っていたアートスクールで学んだ版画のおもしろさに出会いました。今回のイベントには、シルクスクリーンでプリントされたTシャツやポストカードも並んでいました。部屋に飾ってもステキだろうなぁと感じられるカードです。
やりたいことは習ったり自分で調べて技術を身につけ、子どもの様子や自身のペースに合わせて、イベントや個展など表現する場所を広げています。
「好きなこと」の延長線上にイベントがあって楽しそう。さらにちゃんとお客さんに選んでもらえるような商品作りもしていて、見ていて楽しい商品ばかりです。
イベントで、趣味とは別の楽しさを感じた!
イベントに出るのは今回が初めて、という守本あすかさんは、フェルトに刺繍をしたアクセサリーを販売していました。守本さんがチカラを入れているのは、以前から興味があったという、東北の伝統的なこぎん刺し(写真右)。色使いもきれいで、気軽に取り入れられるような商品が並んでいました。
「イベントで、人に見てもらう、買ってもらうというのは初めての経験。趣味で作るのとはまた違う楽しさも感じたし、いつも一人で作っている刺繍を、趣味で終わらせるのはもったいないなぁと思いました。『売る』ためにどうしたらいいか、もっと考えたくなりました」と頼もしい感想です。
手づくりをすることの楽しさを、一緒にイベントに出る人たちを話ができることも楽しいのだそうです。
「私の母親も手作りをする人だった。大人になったら自分もしたいなぁと思ってた」と守本さん。ものを作る楽しさが、今度は自分の子どもにも伝わればと思っていらっしゃるようです。
「手作り」を通して感じる社会とのつながり
「これが手作り?」と思うほど、細かい部分の丁寧な仕事にビックリしたのは、吉崎佳苗さんの作る子供服のブース。普段から、ショップでの委託販売やインターネットでの販売も行っています。イベントに出た経験もありますが、ワークショップのあるイベントへの出店は初めて。
「子どもたちが、自分の親じゃない大人から教わっているのもイイなあ」と感じたそうです。
洋服作りでは自身の子どもに試着させて、手を挙げたときにお腹が出ないか、脇が見えすぎないかなどを、実際の動きの中でチェックしていきます。子どもが活動しやすいこと、安全に着用できることを大切にしているという吉崎さんの話に「ママが作る洋服」の良さを感じました。
「子どもの成長とともに『なにかしたい』って思ってた」と話す吉崎さん。手作りした洋服を手に取ってくれる人のいることが「社会とのつながりを感じられる」ものになっているそうです。
手作りを続けること・つながっていくこと
上の写真は「たひち」さんのブース。自身の子どもさんに必要なものの手作りを通して考えた小物が並んでいました。
出店しているみなさんが「こんなものが欲しい」「こういうものを作りたい」という考えをもとに手作りをしているので、同じ考えを持つママさんたちに喜んでもらえているのだと感じます。(※2017.8.31追記)
ハンドメイドって一人でするものですが、それを人にみてもらえるのが、イベント。ふだんとは違う表現の機会であるとともに、同じ趣味を持つ仲間とおしゃべりしたり情報をシェアできるのも、楽しいのだそうです。
みなさんの話を聞いて、二つのことが印象に残りました。その一つは、手作り品を販売することへの考え。
「手作りの販売って、もちろん楽しいからやってるんですけど、続いている人って、いろんなことを丁寧にしているんじゃないかなって思います」という松岡さん。
「手作り」は趣味として位置づけられることも多いですが、そこに「販売」が重なってくるともう立派なお仕事。作ることはもちろん、お客さんとのやりとりなども丁寧にしている様子は、話をお聞きした皆さんからも伝わってきました。
もう一つが、今回お話を聞いたほとんどの方が「私の母も手作りをするひとだった」とおっしゃっていたこと。
子どものころから自然と手作りする母の姿が身近にあったから、自分の中にやってみたいという興味やあこがれが育っていたのかもしれないというのです。
「自分が手作りをしていて楽しい、と思ってる。それが、また自然な形で自分の子どもに伝わったらいいなぁと思う」と話す方が多くいらっしゃいました。
「せっかく夏休みだから、なにかしよう」と開催した「La Festa Estiva for kids」のイベント。
「寺子屋は一軒家で畳のスペースを使わせてもらえるので、子どももママたちものんびり過ごせました。子どもたちも年齢関係なく、みんなが楽しめたし、誰かのおうちでワイワイしているような雰囲気。ママたちも参加しやすい」と、出店したみなさん。
またいつか、開催されたらいいなあと感じたイベントでした。
(お話を聞かせてくださった皆さん、ありがとうございました!)