謎解きゲームみたいな個展!茨木市クリエイトセンターの前は喫茶店だった場所で
はい、茨木ジャーナルです。
茨木市文化振興財団さんから「繊細さと遊び心」を感じる個展の案内が届きました。
川口洋子さんという作家さんによる個展「小さくて大きい一つずつ」が、茨木市クリエイトセンターで開催されています。
会場は、使われなくなった喫茶・食堂。1階の北側。
今はときどき、イベントやコンサートが実施され催され、喫茶店のころを知っている人たちからは「懐かしい」と人気の場所です。
気になるなぁと出かけたら「こんな展示会、珍しいかも!」と感動しました。
あなたはいくつ作品を見つけられるか?!
クリエイトセンター北側の入り口には、フライヤーが掲示されていました。
川口洋子さんという作家さんの個展「小さくて大きい一つずつ」は、3月5日までの開催です。
喫茶・食堂を外から見ると、照明がついているのでオープンしているんだなとはわかるのですが、なんとなく不安。
なぜかというと「これが作品です」「タイトルはこれです」みたいなものが、見当たらないから。
会場には川口さんと、茨木市文化振興財団の方もいらっしゃいました。
「作品は…」と、どれを観ようか迷っていると「もう始まっていますよ」とのこと。
「え、もう始まってる?!」
思わず、もう一度入りなおしました。
空間も作品になっているような個展
おもしろい!
川口さんの個展は、どこに作品があるのか、どれが作品なのかがよくわからない。
ぱっとみて「これは絵画」とわかる作品もありますが、多くが「喫茶・食堂」の風景に溶け込んでいるんです。
「これ、作品ですか?」とひとつひとつ聞きながら、空間を歩くかんじ。
なかには
「これも作品ですか?」
「いえ、それは元々の壁のめくれです(笑)」なやりとりも。
どれが作品かを探す、謎解きゲームのような個展でした。
「これも作品ですね?触らないように気を付けます」
「いえ、それはこっちの布から落ちた糸ですね」…みたいな。
ご縁のある山口県周防大島でご自身が見た風景や、京都で嵐電に乗っていたときの風景、ふだんの暮らしのなかでふと目に留まったものの表現が、あちこちにありました。
「なぜ私なのか、なぜここでするのか」を考えながら作品を作ったと川口さん。話を聞きながら観ていくと「なるほどなぁ」と思える作品ばかり。
これは、ぜひ会場で体感してもらいたい!
同じものには二度と会えないのかも
「そこにある一つのものも、見る位置や時間が違えば、まったく同じものなんてないのかも」と川口さん。
「時間の流れやその場所で感じたこと、心の動き」を大切にしていらっしゃることも伝わってきます。
「いま、このことを見ているってことは、見えていないものがあるってことで…」と、ものごとへのリスペクトや謙虚さを持っていらっしゃるところに魅力を感じました。
作品それぞれへの考えやエピソードは、互いの立場を越えて心に染みてくるものも多くありました。
見る人それぞれが、心に残る作品と出会えるのでは。
私は、嵐電で見た風景の作品が、心に残りました。
「あー、それで『これ』に描いていて『ここ』に展示しているんだ」と、川口さんのこまやかな表現が伝わってくる作品でした。
川口さんの話をお聞きしていると、床のキズすら作品に見えてきちゃった。
それぐらい、楽しいです。
できればゆっくり時間をかけて、作品を探してみるのがおすすめ。謎解きゲームのように楽しめます。
私は、全部は見つけられなかったんじゃないかなぁ。
「まさかそこにも?!」な場所にまで、展示されています。こんな機会がなければ、入ることのない場所に…!
期間中、ほとんど川口さんは会場にいらっしゃるそうです。ぜひ、会いに行って「この作品は…」と声をかけてみてくださいね。
川口洋子個展
「小さくて大きい 一つずつ」
什器や備品が残った空間をそのまま活用し、展示空間を含めたすべてが作品のような個展。川口洋子さんの繊細さと遊び心にあふれ、ゆったりとした時間を過ごせます。
ソシオ2階のウインドウやロサヴィア2階の文化事業情報発信コーナー「みるば」のモニターでも展示されています。
- 小川口洋子個展「小さくて大きい 一つずつ」
- ■開催日時 2月23日から月5日(日)会期中は無休
10:30~19:00
(金・土曜は20時まで) - ■場所 茨木市市民総合センター
クリエイトセンター 1階喫茶・食堂 - ■入場無料
- ■サテライト会場
・ロサヴィア茨木2階 文化事業情報発信コーナー「みるば」
クリエイトセンター(喫茶・食堂)にも展示される映像によるインスタレーション作品の一部としてモニターに映像作品を放映 - ・ソシオ2階 ショウウィンドウ
クリエイトセンターの喫茶店で使用されていたイスなどを持ち出し、絵などの作品とともに展示 - 案内ページ
【茨木市文化振興財団「川口洋子個展小さくて大きい 一つずつ」案内】 - ■会期中、川口さんはほぼクリエイトセンターの会場にいらっしゃいます。
「え、こんな場所にも?」というところにも作品があるので、ぜひ声をかけてみてくださいね! - ■主催 茨木市・茨木市文化振興財団
クリエイトセンターと喫茶・食堂
クリエイトセンターのまわりには、子どもの絵画が埋め込まれているところもありますよね。茨木市の大切な財産なんだなぁと思えて、好きです。
1階の喫茶・食堂へは、
クリエイトセンター正面からは向かって右へ。
喫茶・食堂は、催しによっていろんな表情を見せてくれるようでステキな場所です。
今回の川口さんの個展は、その表現がこの場所にあってるんだろうなぁと伝わってきて、オモシロいと感じました。
ぜひ!
(写真は2022年11月。喫茶・食堂はいろんな催しで利用されています)