魚と野菜、食べてます?追手丼プロジェクト×中央卸売市場が提案する鯛芳飯
はい、茨木ジャーナルです。
8月のイベント案内にも載っている「追手丼プロジェクトの追手丼のふるまい」が、8月5日6日に行われました。場所は、追手門学院大キャンパスにある食堂棟。
ちょうど追手門学院大オープンキャンパスの日ということで、高校生やその保護者の方など、多くの方がキャンパスを歩いていらっしゃいました。
追手丼ってなに?
追手門学院大には「プロジェクト授業」という課題解決型の学びをする仕組みがあります。今までにも、【茨木グルメBOOKって知ってます?―インタビューしてきました】の記事や【茨木産の酒を作る!追手門学院大の日本酒プロジェクトにインタビュー】の記事でも紹介しています。
追手丼も、そのプロジェクト授業から提案されたものです。
食堂に入ると、ずらーっと追手丼に関することが書かれたポスターが貼ってありました。
はい、こちら、どーん!
彩りのきれいな鯛芳飯(たいほうはん)と鯛のお吸い物が、トレーに乗って到着!おいしそうです。
追手丼プロジェクトのどんぶりメニューの提案は、今回で4作目。追手丼プロジェクトでは、茨木市にある大阪府中央卸売市場が掲げる「野菜と魚をもっと食べてほしい」という思いと一緒に、今までにもさまざまな追手丼を作っています。
今年は、
この二つを軸に、日本の伝統「和食」にもスポットをあてることにしました。
和食について調べてみると「芳飯」という料理に繋がりました。さらに、どんぶりの歴史を遡ると、そこでも「芳飯」が原点だということがわかり、「地域の食材を使って、野菜と魚を使った芳飯を!」と決定。身近な食や食生活を見直すきっかけにと、鯛芳飯が誕生しました。
「芳飯って、室町貴族のごはんとしても食べられていたものですよ」とプロジェクトメンバーの小川奈穂さん。どんぶりメニューの歴史がそんなに古いものだとは知りませんでした。「よく調べたね~」なんてちょっと感動。
追手丼のトレーには、芳飯のプチ情報が書かれたシートが敷いてあります。
鯛芳飯は、鯛、レンコン、青ネギ、人参、大根、錦糸卵、海苔を使ってるよ~と書かれていて、五色の彩りも芳飯の特長。
メニュー開発をしたメンバーの西岡耀(ひかり)さんは「地域の材料を使って作る地産池消についても考えました」と話します。ただ地域の野菜を使えばいいというわけでなく、芳飯として合うもの、おいしく食べられる調理方法を考えるなど、たくさんの苦労があったと言います。
さぁて、いただきまーす!
・・・と食べようとしたら「あー!こっちも読んでください」と学生さんにストップをかけられてしまいました。
芳飯のいただき方についても、シートに記載してありました。芳飯とお吸い物をそれぞれ味わってから、好きなタイミングでご飯にお汁をかけていただきます。基本、食べ始めたら「ごはんと真摯に向き合いたいので」(とかなんとか言って)と、写真を撮るのもメモを取るのも終了。バクバクといただいちゃいました。
おいしい・・・!
塩焼きした鯛も、ふわっとしています。塩加減もいい感じ。大根と人参は、なますなのかと思ったら浅漬けでまろやか。途中でお出汁をかけていただきましたが、別で食べても合わせても、味が辛すぎたり薄くなったりすることなく、ちょうどいい具合になるのがフシギ。味を決めるのに苦労したんじゃないでしょうか。
実際に調理をするのは、追手門学院大の食堂の方。食べた人のアンケートや調理してくれた皆さんの声を参考にして、味の改良をしていったそうです。
「酢の物が苦手っていう学生が多かったんです」とメニューを担当した西岡さん。
また単に「作る!おいしい!」というだけでなく、野菜や魚を若い人にも食べやすいものをというコンセプトも大切にして、追手丼・鯛芳飯が完成しました。
追手丼プロジェクトに参加してみて
鯛芳飯について、この日熱く語ってくれたのは追手丼プロジェクトメンバーの小川奈穂さん、西岡耀さん、杉坂隼一(たかひと)さん。
「どんぶりって何?」という土台のもと、メニューは西岡さんが中心となって考えていきました。和食のことや食生活を振り返るきっかけになるように、コンセプトとメニューがずれないような配慮もしました。
けれど、それよりも大変だったのは、「人の動き」だといいます。
「リーダーとしての動き方。どんなふうに伝えたらみんなが動きやすいか、ちゃんと伝わるのか考えるのは、ムズカシイんだなぁと感じました」と小川さん。杉坂さんも「グループを動かしていくこと、人に指示したり頼むことは、むずかしかった」と話します。
どんなどんぶりを作るのかを考えることだけでなく、11人のプロジェクトメンバーがみんなで課題に関わることや、動きを考え合うことは、プロジェクト授業だからこその貴重な経験なんですね。
担当の村上先生も
「例えば、飲食店をやりたいと思ったとき、料理を作ったりメニューを考えることは大切。このプロジェクトでは、実際に経営していくときに出てくるだろう課題に気付いたり解決する体験をしてほしい」とおっしゃっていました。
追手丼は、いろんな方に食べてもらえたらいいなぁと思うのですが、販売の予定などは検討中。秋ごろに追手門学院大のキャンパスで食べられる機会を持てたら、とのことでした。
経営学部・村上ゼミ、こんなこともやってる
ちょうど追手門学院大のオープンキャンパスの日だったこともあって、せっかくなので経営学部の展示ブース(教室)へも行ってみました。
追手丼プロジェクトの鯛芳飯だけでなく、見山の郷と一緒に見山地区の産物を使った商品開発をした「見山の郷・商品開発プロジェクト」の様子も紹介していました。
米粉のパンは見山の郷でも販売されている商品ですが、見山地区の名産品「赤しそ」を使った「赤しそあんパン」も提案して、今は見山の郷で販売されています。さらに「見山ジュレ」の販売もスタートする予定です。
座学で経営を学ぶだけでなく、地域や現場にあるさまざまな課題を見つけ、その解決のためにどうしたらいいか考え実践すること。これを学生のときにできるのは、貴重な経験になるんだろうなぁと感じました。
追手丼プロジェクトの皆さま、とってもお忙しいのにありがとうございました。
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