ときどきオープンする大人の隠れ家・橋本健二建築設計事務所「図書室」へ
はい、茨木ジャーナルです。
去年6月の【2016年6月 茨木ジャーナル人気記事と参加したイベントの話】という記事。2016年6月に多く読まれた記事をピックアップした内容ですが、最後のほうに「『いばLive』というのに行ってきました」という内容で、招待いただいたイベントについて書いています。
イベントの内容は、記事を見ていただくとして。
そのいばLiveでご一緒したお一人が、橋本健二建築設計事務所の橋本健二さんです。それ以前にもお会いしたことはあったのですが、独特の雰囲気がムンムンと漂っている方で「はーしも~とさ~ん♪」と気軽に声をかけていいものかどうか・・と遠慮しておりました。
そんな橋本さん、事務所を「図書室」として2ヶ月(ぐらい)に1日、オープンにしていらっしゃるというので、初めて行ってきました。
橋本健二建築設計事務所の図書室って?
近くの別の場所から3年前にお引越ししてきた、橋本健二建築設計事務所。「図書室」は、橋本さんの事務所にあるたくさんの本を「どうぞ好きにご覧ください」と開放する時間です。
誰でも事務所に行ってOK。ただし、オープンは日曜なので建物内が静か。「ほんとに入っていいの?」というドキドキ感をお楽しみください。さぁ、扉を開けて建物の中へ。
入ってすぐのところにある階段を上ります。静かなので「こら!勝手に入るな!!」と怒られたらどうしよう・・というスリルを味わえます。
念のため、階段を上りきったところの扉をノック。「こんにちは~」と声をかけて、中へ。
どーん。
「間違いない、ココは図書室だ」と、ある意味すぐにホッと安心できる空間。本が天井近くまで並んでいます。
図書室、どう過ごしたらいい?
事務所にある本棚も、どこから見ていこうかと迷ってしまうほど、いろんな場所にいろんな本が並んでいました。でも、ここって事務所ですよね?ご自身の事務所を2ヶ月に1日図書室としてオープンしているのは、なぜでしょう?
「せっかくたくさん本があるんで、いろんな人に見てもらったらいいかなって。建築関係の専門の本もあるけど、小説とか写真集とかマンガもありますよ」と橋本さん。
「図書室オープンしてます」って、何かもっとこう・・・「本を通して・・こうなって」みたいなのってあるんじゃないのかなぁなんて思ってたのですが、意外にもそんな難しいことはなさそうです。「好きに読んだり眺めてくれてOK」みたいです。
無造作に置かれているのか、わざと斜めに置いているのか・・・、いや、きっとわざとだ、なんて思ってしまう雰囲気。よく見るとオモシロそうな本が並んでいます。
絵本もありました。「かたあしだちょうのエルフ」だ・・、懐かしい!橋本さんって、こんな絵本も読むんだ・・となんとなくギャップを感じたりします。
自分が読んだ本を見せるて、なんとなく自分の内側を見せちゃうようで、躊躇したりってないのか聞くと「いや、もう別に気にしないね」と笑います。
仕事で今も調べものをするときに使う、建築家のバイブル的な専門書もありました。「法律もどんどん変わるから、そのたびに調べないとね」と橋本さん。わからないこと、確認したいことを本で調べるというところが、あたりまえですがやっぱりプロ。ネットでちょちょいっと調べるんじゃありません。
「小説もけっこうたくさんあるんです」
一級建築士というお仕事とどう繋がるんだろうかと思いますが「なんていうか、読んでて風景が想像できたり、表現がおもしろかったり、いろいろね・・」とのこと。
もしかしたら仕事をするうえで、本や写真などから想像して感じたことをたくさん蓄えていることが、役に立つのかもしれないなぁなんて感じました。
何もないところに何かを作る仕事って、考える作業と時間がほとんどですもんね。使う人や使う場面を想像するときや、考えを言葉で表現したり、逆に相手の考えを理解するときにも、蓄えているものに助けられるのかも。
「図書室」の本は貸出はしていなくって、オープンの日にここへきて、好きに読んだり眺めたりします。へぇ・・と眺めるだけで、橋本さんとお話をするのもOK。本やここへ来る人、自分が初めて会うものの発信する言葉や風景に「へぇ」と感じられたら、それでよし。年齢も仕事も関係なく誰でも来ていい場所です。
大人のおもちゃ箱みたいな図書室
本を眺めながら、とにかく気になるいろんなモノたち。ちょっとだけ紹介すると、
まず、車。
こういうのがスッと置いてあるところが、独特の雰囲気ムンムンの橋本さんっぽい(あくまでも個人的な感想ですよ)。
以前、倉庫で使っていた扉を持ってきて、パーテーションに。間から光が漏れてきているのが、これまたオシャレ。お父様が趣味で集めていたはく製が睨みをきかせています。
室内の天井は今どきのオフィスなんかと比べると低くって、ちょっと暗め。照明は・・・
くぅ・・、これまたオシャレ!本を読むのに、暗いんじゃないか?と眼科の先生に言われそうだけど、いやいや、ここの図書館にはこの照明がいいんだろうなぁ。
ちなみに、あっちとこっちにも照明があるので、本を読むのにも大丈夫。うぅ、オシャレ。
片隅に大きな時計がゴロン。ネットで輸入したそうなんですけど、使ってない。そりゃそうですよ、これだけ壁際に本が並んでいたら、普通サイズの壁掛け時計も掛けられないんじゃないでしょうか。時計の隣に置いてあるお花の柄のバッグは、まあまあ最近買ったもの。このバッグは、もう橋本さんじゃないと使いこなせないんじゃないかと・・・。
ここにあるものは、とっても古いものが多い。「ここも、たぶんもう50年ぐらいの建物かな」とのことで、
この場所へお引越しするときに、天井を剥いだら出てきた今の天井。木ってすごいなぁ・・と惚れ惚れしてしまいます。さらに、
この場所へお引越しするときに、床のシートを剥いだら出てきた今の床。天井にしても床にしても、むき出しのままがとても美しい。けっこう私たちって、余計に何かをつけちゃってることって多いのかなぁ。
図書室のテーブルも絶対新しくなさそうなので聞くと「前にあったもので、捨てられてたから拾った」ですって。もしかしたら、橋本さんの事務所にあるから古いテーブルもカッコいいのかも、なんて思ってしまった。天井も床も年数を重ねているから、このテーブルも馴染んでるのかもしれない・・。
もう鳴らないけど、ステレオも。「これを捨てずに置いてるのが、建築士・橋本」・・って感じに思えてきた。
あー、羨ましいっ!プレイヤーです!!平成生まれの皆さん、これがプレイヤーってやつですよ。知ってる?丸いのがレコード、音が出るんだよ、知ってるかい?!
「やっぱり、ジャケットっていいでしょ」と嬉しそうな橋本さん。そうなんだよねぇ。
あぁ、やっぱり「これを捨てずに置いてるのが、建築士・橋本」なんだよなぁと勝手に納得。
こんなふうに自分の好きなモノに囲まれて、たとえそれらが年を重ねても、やっぱり好きなモノをそばに置いている橋本さんは、
自分のライフスタイルにこだわりを持つ人たちが読む「I’m home」という雑誌で「建築家リスト50人」に紹介されてます。いばジャルなんかが紹介していいのか不安になる・・・。でも、紹介するんだけど。
もともとは店舗デザインなどをなさっていて、建築の道に進みたいとは思っていなかったそうです。店舗デザインの仕事が深くなるとともに自然と建築について携わるようになり、今に繋がっているようです。
「子どものころは、ヘンな子でしたよ、全然モテなかったし(笑)」という橋本さん。本はもちろん、映画もよく観ていたそうで、図書室には映画のパンフレットもたくさんありました。
図書室を見せてもらったり、橋本さんのお話を聞いていて、囚われないでいろんなものを見たり聴いたりすることって大事だよと教えてもらっているような気がしてきました。
最後に、最近読んだ本、一つ紹介してくださいとお願いすると
「ディアギレフ バレエ・リュス展」の本をあげてくださいました。同名の展示会の本で、衣装や舞台装置、絵画、写真、デッサンなどを見ることができておもしろいのだそう。
見ておもしろいものって、自分の頭の中の引き出しにしまっておけるんですよね~。なかなか自分では買わない本も、橋本さんの事務所の図書室で見ることができるので、気軽に行ってみてくださいね!
「図書室」オープンの日、次回は2月19日(日)15時~21時です。
橋本健二建築設計事務所アクセス
橋本健二建築設計事務所は、JR茨木駅から歩いて10分ぐらいの場所にあります。
橋本工務店の看板のところに「橋本健二建築設計事務所」とサインがでています。
保健医療センターの近くね。日曜なので門は閉まっていますが、図書室オープンの日は入って大丈夫です。
門に向かって右のほうが、産業道路。
近くに信号があって、あっちが春日商店街の入口のほう。この道のずっと先に中央図書館があります。次回図書室は2月19日。ぜひぜひ!
【橋本健二建築設計事務所】
所在地: 茨木市春日1-15-24 |
電話: 072-623-6767 |
【橋本健二建築設計事務所】HPからブログをチェックしておくと、次回図書室オープンのスケジュールもわかりますよ~♪
橋本さん、ありがとうございました!
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