イオンタウン茨木太田に105人の「あしたのこと」-2022年3月まで続く作品づくり
はい、茨木ジャーナルです。(更新:2021/5/7)
2月27日に、【イオンタウン茨木太田は3月27日オープン!どんなの?どんな店?】記事で、茨木市城の前町にできるイオンタウン茨木太田について、ちょこっと紹介していました。
地域や大学と連携した取り組みを通して、地域のコミュニティ拠点を目指すイオンタウン茨木太田。その組みの一つが、店内の壁面を活用したアート作品の展示です。
企画・運営するのは、茨木市を拠点に活動するOne Art Project(ワンアートプロジェクト)。
(写真は2018年9月。JR総持寺駅で)
One Art Projectは、JR総持寺駅の自由通路で駅開業時からずっとアート作品展示を行っています。「あぁ、あの展示ね」とわかる人も多いかな?
イオンタウン茨木太田で展示するのは「あしたのこと」をテーマにした作品。たくさんの人が「あしたのこと」を言葉で表現し、それをしりとりでつなげていく展示です。
作品づくりは、2022年3月まで約1年かけて完成を目指すのだそう。
今回は、One Art Project(ワンアートプロジェクト)の稲垣元則さんと藤本聖美さんを訪ね、イオンタウン茨木太田での作品作りや「あしたのこと」というテーマ選びについて、話をお聞きしました。
出かけたのは、
イオンタウン茨木太田!
作品展示の準備をする現場へ、行ってきました。作業の様子をちらっと紹介します。
「日常」がアートになる場所
イオンタウン茨木太田の2階「茨木太田フードテラス」へ行くと、他とは雰囲気の異なる場所がありました。
グレーの壁面に並ぶ大小の文字。
それが、参加した皆さんが思い描いて書いた「あしたのこと」です。3月19日現在、105個の「あしたのこと」がつながっています。
参加した皆さんが書いた文字が、そのまま転写され、
丁寧に一文字ずつ壁面へ貼り、作品が作られています。
始まりは「あした」という言葉。最後の一文字「た」から、次の人の「あしたのこと」へと、しりとりでつながっています。
ひとつひとつ、丁寧に貼られた言葉は、壁にそのまま描いたのじゃないかと思うほど、なじんでいました。
One Art Projectでは、2019年にも旧市民会館跡地エリアで「カコイバ」という作品展示をしています。
【茨木市民会館跡に168人の「きのうのこと」-茨木の風景・カコイバART PROJECT】(2019年8月)
ひとりひとりの「きのうのこと」をしりとりでつないだ作品で、言葉はシートに打ち出されていました。
今回は、書いた人の文字がそのまま「作品」に。手書きの文字にそれぞれ特徴があって、体温を感じます。
「イオンタウンさんが私たちの考えに寄り添ってくださいました。参加してくれた皆さんの表現が伝わるように、壁面の色や展示方法を工夫しています」と稲垣さん。
控えめなのに目が留まる、そんなスポットになっていました。
なぜ、フードコートにアート?
今回、イオンタウン茨木太田でアート作品を展示することになったきっかけは、JR総持寺駅の自由通路でのアートプロジェクト。
「むずかしい」「ハードルが高そう」と思われがちなアート。
だからこそ、日常のなかで出会える場所にアート作品を提供したいと考え、駅通路の壁にアート作品を展示。半年ごとに作品を入れ替えています。
「ばったり出会う状況を作りたい。作品に出会ったり気付いて初めて『好きだな』とか『キライだ』とか『おもしろい』『よくわからない』など、感じてもらえるので」と稲垣さん。
「作品を見て、どう思っても自由」
稲垣さんも藤本さんもいつも、そう言います。
「正解はない。『みんなが言うからそうなんだ』というものでもないんですよ」という言葉のおかげで、アートに詳しくない私は、ラクに作品を見られるようになりました。
なぜ文字で作品を?
イオンタウン茨木太田での作品は「あしたのこと」の言葉のしりとり。
絵や写真でなく「文字」をつなげる展示には、どんな思いが込められているのでしょう。
「幅広く多くの人に参加してもらいたかった。書く人も見る人も」
多くの人が書いたものを、たくさんの人が見る。
でも、感じ方は人それぞれ。
「いろいろで、いいんだよ」という作品にしたかったのだといいます。
「自分じゃない誰かにも、その人の日常がある。それに気付いたり、誰かを思ってもらえたら」と藤本さんも話します。
食べる人、買いものする人、ふらっと歩く人…いろんな人が来る場所に、いろんな人の「明日は…」なことが展示されているって、おもしろい風景かもしれないなぁと思いました。
しかも「ほれ、見なさい!」という展示の仕方じゃない。見るのも自由だよ、というところが、壁面展示ならではのゆるやかさかも。
「あしたのこと」は日常の続き
2019年に旧市民会館跡地エリアに設置されていた「カコイバ」は「きのうのこと」がテーマでした。
(写真は2019年9月)
「いま読み返すと、2年前の世の中の状況が反映されていておもしろい。月日が経つと『あのときは、こんなんやったなぁ』と、今とは違う感想を持つかもしれない」と稲垣さんは「記録になる」と言います。
「飾らない日常のなかに、きっと地域や時代が表現される。来年までのあいだに集まる『あしたのこと』が、この一年の『風景』になると思います」
「あしたのこと」は、月に1~2回ほどのペースでイベントを実施。2022年3月まで少しずつ言葉が増えていく作品です。
一年のあいだに世の中で何かが変わるかもしれない…。そう考えると、どんな作品が完成するのか、ますます楽しみ!
「あしたのこと」は、まだまだ続きます。
もしも「あしたのこと」を作るイベントに出会ったら、2022年3月の完成に向けて、皆さんも「あしたのこと」を刻んでみてくださいね!
■追記
2021年5月7日【イオンタウン茨木太田の「あしたのこと」-記念日を迎える2人の言葉も】記事をアップしました。
稲垣さん、藤本さん、ありがとうございました。
イオンタウン茨木太田の店内は、写真は撮っていませんが、回りやすい印象で「あしたのこと」も見つけやすそう。
楽しみにお出かけくださいマセ~。
■【嗚呼、9/27まで!168本の小枝がつなぐ「キノウノコト」展示は茨木市役所で】(2019年9月26日)記事も、よかったら。
タグ:アート, イオンタウン茨木太田