茨木から全国へ!細い電線を撚って編んで暮らしを支える別処電線製造所-大人の工場見学
はい、茨木ジャーナルです。
今回は久しぶりに、大人の工場見学レポです。
産業道路の東側、丑寅の信号近くに赤色のシュッとかっこいい外観の建物があるのをご存知でしょうか。
ここは、別処電線製造所。
4年ぐらい前に現れた建物で、何だろうと思っていたんです。
「工場のなか、見せてくれるかもしれない」と教えてもらい、取締役本部長・別處達也さんを訪ねました。
株式会社別処電線製造所へ行ってみた
訪ねたのは、茨木市蔵垣内にある、株式会社別処電線製造所さん。
1946年に大阪市内で創業し、2020年8月に茨木市へ本社工場を移転されたのだそう。
丑寅の大きな建物や蔵垣内のかどや酒店を訪ねるときに「赤い建物ができてるなぁ」と、ぼんやり眺めていたのですが、それが別処電線さんでした。
おもてからは、スクエアの赤枠が目立ってカッコいい。中に入ると、
サイネージに製品が映し出されていて、これまたカッコいい。
「製造」という言葉から受ける印象とは異なる、どこか都会的な雰囲気です。
はじめに、沿革や製品について、別處さんが説明をしてくださいました。
電化製品や産業・車分野のプロダクト
別処電線さんの製品は、大きくわけて3つ。
ひとつが「撚線(よりせん)」という、髪の毛より細い線をねじって巻き付けていくもの。
もう一つが「編組線」。複数の電線を編み物のように編んでいくもので、撚線と同様に柔軟性に優れていて、さらにしなやかさもあるのだそう。
三つ目が、それらの特性を生かした加工品。
自動車分野、電化製品や産業用機器などで、別処電線さんの製品が使われています。
車の分野では、モーターを回転させるためのスターターや、パワーウィンドウ、ワイパーで、加工品が使われているのだとか。
プロジェクションマッピングや電車のパンタグラフなどでも、別処電線さんの技術が使われているんですって!
「電線」と聞くと、街の中のあの「電線」を想像していたのですが、おもてに見えないところでもさまざまな形で私たちの暮らしを支えてくれていると知りました。
製造の現場も見せてもらった!
話をお聞きしていた部屋はとても静か。
「このシュッとした建物は、営業所なのかな」と思っていると「さぁ、行きましょう!」と別處さん。
机に並んでいた帽子は、製造現場へ入るためのものでした。
(通常は工場見学などはしていません)
製造所というと、音が大きくて…というイメージだったのでびっくりです。
なかへ入ると、
キレイ!機械の動く音が響きますが、空間はとてもキレイです。
機械が整然と並んでいるように見えるのですが、よーく見ると細い線がピンと張っていました。上の写真でも見えるでしょうか。
機械がぐるぐる回っていて、線が撚られていました。細さもいろいろで、細い線だとよく見ないとわからないほど。
外から建物を見るだけではわからなかったのですが、製造所のなかはかなり広く、ぼんやり機械を眺めていると迷子になりそう。
撚線もサイズというか太さというのか…いろいろ。機械の動きもおもしろいし線はキレイで見ていて飽きません。
でも、やっぱり最後は「人の手」なんですね。
機械が作る線を、キレイに巻き付けていきます。隙間なくぴしっときれいに巻き付けていくのも、実際には難しい作業なのだそう。
出荷前のこの工程は、経験も必要なのだそう。少しでも「ん?」と思ったらすぐやり直して、仕上げていきます。
美しい製品たち。最後のこの部分は、どうしても重たいものを運ぶ作業になってしまうのですが、それ以外のところでは女性も一緒に働いています。
キレイー!ピカピカ。
この写真も、よーく見ると細い線が張っていますよ、わかるかな?
巻きついたものは「面」のように見えますがすべて細い線。
それらが、編み物のように編みこまれて、編組線が作られます。複数の電線が編み込まれていて、これも機械が複雑に動いて作られていたのですが、端っこ部分に見える線も美しくて、とにかくどこを見てもきれい。
2023年9月には、大阪ものづくり優良企業賞2023も受賞されています。
今回は、特別に製造の現場を見せていただきました。
こんな繊細な加工品が、産業機器や車の部品に使われたりしているとは想像もしていなかったので、貴重な機会でした。
別処電線製造所では、新しい人材を募集中とのこと。
建物はもちろん、製造の場所も明るくて整備され、女性の社員さんも活躍中。
気になる方は、SNSなどもチェックすると雰囲気がわかると思いますよ!
市民レポーターさんの感想
この日同行した、市民レポーターぱんちゃんからも感想をもらいました。
- 別処電線さんを訪問して
- 蔵垣内にある、別所電線へ茨木ジャーナルの市民レポーターとして参加させていただきました。
事前にHPを拝見し「温故知新」「日本に根付く伝統技術」という言葉に大変期待しての参加です。 - 想像の電線は、街を歩き、上を見上げたら見えるあの電柱と電柱の間を這う電線でしたが、実際見た製品は全くの別物でした。
とても繊細で、HPの言葉通りの「温故知新」「日本に根付く伝統技術」があちらこちらに。 - 髪の毛よりも細い金属使用しまるで、組紐のように編み上げられる繊細な編組電線は、本当に芸術品の様でした。
- 心の中で「ブレスレットや、バングル、キーホルダーにしたらバズリそう」と勝手に商品化。
- 亡き父が働いていた、ばね工場と同じ機械の匂いを感じながらの、工場見学はあっという間に過ぎました。
女性も活躍されていて、エコアクション21にも取り組まれていて、こんな素晴らしい会社が茨木にあることが、とてもうれしいです。 - <市民レポーター:ぱんちゃん>
お忙しいなか対応してくださった別處達也さん、ありがとうございました。
また訪問から記事公開まで、とても日にちがかかってしまって…失礼しました。
別処電線さんは、インスタでも楽しい発信をされているので、ぜひチェックしてみてくださいね!
【株式会社別処電線製造所】
所在地:大阪府茨木市蔵垣内1-2-10 |
【株式会社 別処電線製造所Instagram】 |
にんジャルのお隣の子は「まる別くん」です。
手足の柔軟性が、めちゃめちゃうらやましい!
さすがの「編組線」です。
別処電線さん、ありがとうございました!