茨木出身の落語家・桂吉弥さんの春日寄席、5月3日で300公演達成!

はい、茨木ジャーナルです。

茨木市出身の落語家・桂吉弥さんの落語会が、茨木の住宅街の中で開催されていることをご存知ですか?1998年5月に生まれた「春日寄席」が、2017年5月3日の夜公演で300回を迎えます。

NHKのドラマなどにも出演していた吉弥さんが、茨木で落語会を開催していることや、その場所が一般の方のお宅であることなど、知らなかったので興味津々。
「春日寄席」として自宅を提供している丹羽久子さんを訪ねました。

手づくり感のある春日寄席

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「桂吉弥 春日寄席」は、一つの演目を一日に昼・夕方・夜の3回公演。それを二日行います。

記念すべき300回目となる5月3日の夜の会も、すでにチケットは完売。伺った4月25日開催の295回目となる昼の会も、13時前にはすでに行列ができていました。

春日寄席丹羽さん宅玄関DSC05659

一度の公演に集まるお客さんは、約50名!そんな大勢が一度におうちに入ることができるというのも、驚きです。

桂吉弥春日寄席チケット売り場DSC05661

中へ入ると、5月27日、6月12日分のチケットが売られていました。毎回、次の分のチケットは、春日寄席の日に販売されます。
公演時間別に缶のケースに分けられたチケットは、お金のやり取りに間違いが起きないように、手際よくチェック、会計していきいます。高座が始まるまで、この場所がとても忙しそうで、担当しているのは丹羽さんのお知り合いの方です。

春日寄席中入りのお菓子DSC05683

チケット販売だけでなく、仲入り(休憩)にお客さんへ出すお茶やお菓子の準備、出囃子の音出しも行います。

「最初はなんにもわからなかったけど、丹羽さんに教えてもらったの。やってみると楽しいですよね」と話してくださいました。
テレビなどでも活躍する噺家さんの落語会が、地域の方々の手で作られているんだなぁと感じます。

桂吉弥春日寄席客席2DSC05669

部屋はお客さんでいっぱい。遠方から来られている方もいて、皆さんの熱気が伝わってきます。初めて見る光景に「スゴイ…」と何度口にしたかなぁ。

春日寄席の落語前丹羽さんの話DSC05676

最初に、春日寄席を作った丹羽さんのご挨拶。とっても話がおもしろくて、お客さんの気持ちをグッとひきつけていました。

春日寄席の始まりは?

桂吉弥春日寄席丹羽さん宅1DSC05688

春日寄席が作られたきっかけは、丹羽さんと桂吉弥さんのご両親がお知り合いだったこと。

故・桂吉朝さんに入門し、故・桂米朝さん宅での修行を終えた吉弥さんに、お客さんの前で落語ができる場所を作ろうと、1998年5月から春日寄席をスタートさせました。

初めは、家族・友人・知人だけの10名ほどの小さなものでした。やがて口コミで広がりを見せ、人が集まるようになり、公演回数も増えていきました。2008年夏からは、1日3回公演を2日行う、現在のスタイルになりました。

桂吉弥春日寄席の一席めDSC05679

「もともと落語って、大道で発展してきたものです。ここみたいに50人ぐらいのお客さんの前でする落語は、大切です。客席に一人でも退屈になってしまう人がいると、周りにその空気って伝染してしまうので。だから、こういう環境で落語をすることは貴重で、弟子にもいつも言ってます。私自身もここで落語をすることで、初心を忘れずに一生懸命できます」と吉弥さん。

亡くなった米朝さんも、マイクを使わないで落語をする機会を大切にしていたのだそうです。

「ここは、修行を終えて落語をする場所を探していたときに、場所の提供から集客までしてくれたところ。感謝してます。これからも続けさせてもらえたらと思っています」と、嬉しい言葉も。

桂吉弥独演会のお知らせDSC05685

NHKの朝ドラ「ちりとてちん」出演を機に、落語はもちろんテレビやラジオなど活躍の幅を一層広げた吉弥さん。
小さな春日寄席はお客さんとの距離がとても近く、夢中になるにつれ、一対一で落語を聞いてるような感覚に。自然と声を出して相槌を打っているお客さんも何人かいました。
忙しくても「春日寄席は大切」と長く続けている吉弥さんの人柄が伝わってきて、それが小さな寄席ならではの良さだなぁと感じました。

春日寄席に行きたい!どうしたらいい?

桂吉弥春日寄席の高座DSC05686

吉弥さんの落語は、その世界の風景が浮かんで、どんどん話の中に引き込まれていく楽しさがありました。「こんな楽しい寄席があったとは」と感動。熱心に来られるお客さんの気持ちが、よくわかります。

基本的にチケットは、春日寄席の公演日に販売されるので、その日に買いに来た方が優先です。

5月27日(土)と6月12日(月)のうち、19:00スタートの夜公演は席に余裕があるそうです。ご希望の方は、下記へ電話して購入方法をご確認ください。(茨木ジャーナルを見た、と伝えるとスムーズです)

桂吉弥 春日寄席チケット申し込み
電話: 072-624-7002
(チケット代 1,000円)

文化・芸能って、「伝統」という言葉がつくとたちまち、少し敷居の高さを感じることもあります。でも、もともとはこんなふうに、地域で暮らす人たちによって支えられ、発展していったものなのかなぁと感じました。

ご都合のいい方、興味のある方はぜひ一度、覗いてみては?と思います。

丹羽さん、桂吉弥さん、お忙しいところありがとうございました。

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