「ん?何か違うぞ?」今、川端康成文学館に女子が訪れてる理由
はい、茨木ジャーナルです。
川端通り沿いにある川端康成文学館。この場所、今めちゃくちゃ熱いらしんですけど、知ってました?
桜がまだ「ちょこっと咲き」のある日、行ってみました。
川端康成×横光利一 テーマ展示
訪れたときに開催していたのは「テーマ展示 川端康成×横光利一」です。
横光利一が亡くなったときに弔辞を読んだのが川端康成で、2018年は横光利一の生誕120年に当たります。川端と横光の関係を書簡や自筆原稿が展示されていて、5月21日まで開催されています。
実はそのテーマ展示にあわせて、4月8日まで「特別企画」のコーナーが設けられているんです。
なぜか女性客がたくさん来館するようになった
2017年夏。
川端康成文学館の職員は「ん?」とあることに気付きました。明らかに、訪れる客層が変わってきたからです。
「目に見えて若い層、それも女性が多く訪れるようになったんです」とのこと。
週末ともなると100人以上が来館するようになり、先に紹介した「川端康成×横光利一企画展示」でも、特別講演などのイベント参加者も満員になるほど。
不思議に感じた職員が調べてみると、どうやらアルコト…いや、あるコトがきっかけだとわかったのです。
ゲーム「文豪とアルケミスト」に康成さん出てるやん!
「文豪とアルケミストっていうオンラインゲームがあって、その中で川端康成も出てきてるようだとわかったんです。調べていくと、全国にあるさまざまな文学館でも同じような現象が起こっているようでした」
調布市の武者小路実篤記念館でも女性客が増加、金沢では室生犀星、泉鏡花、徳田秋声の記念館をまわるスタンプラリーも実施して、大人気なのだそうです。
文豪とアルケミストって??
ゲーム「文豪とアルケミスト」は、ある日突然、本が真っ黒になっていく現象が起こり、それを解決するために特殊能力者「アルケミスト」が立ち上がり、文学の持つ力に詳しい文豪たちを転生させていく、という内容。
「そこに川端康成も横光利一も出てくるんです。ゲームの中の登場人物ですけど、実在した文豪なので『もっと知りたい』と思って、来られているようです」
川端康成と横光利一の関係への理解を深めたり、川端康成に馴染みの深い茨木市内のスポットを展示で見るなど、訪れるお客さんたちは熱心で、川端康成文学館で販売している文庫を記念に購入する人も多いといいます。
それなら「川端×横光」でもっと楽しんでもらおう!
「楽しんでもらえるなら、やっちゃおう!」というのが川端康成文学館。さっそく、ゲームの会社DMMさんと調整して「特別企画」をすることに。
上の写真のような記念撮影スポットを設置しました。そのまま「はい、チーズ」と撮影してもいいんですけど、
なりきっちゃうこともできます(笑)。
川端康成文学館のお楽しみブースでもある「なりきり康成」の衣装、貸してくれます。
カツラもかぶれます。しかも、文豪アルケミストバージョンのシュッとしたカツラ。
(このカツラ、植木鉢を逆さにしたところに置いてあるのもツッコミどころ)
ゲームに出てくる康成さんと同じデザインのストールを巻き、ゲームの康成さんが持ってるのと同じブックカバーの本を持って。
大阪府下だけでなく、関東など遠方からの来館者も多いそうで「せっかく来ていただけるんですから、楽しんでもらいたいなあといろいろ考えました」とのこと。その思いが伝わってくるもを見ることもできますよ。
文学館のパッションが伝わるポイントはココ!
文豪とアルケミスト(文アル)に登場する川端康成と横光利一が並んでいる背景をよく見ると、康成さんが読んだ弔辞の一部が展示されています。これ、よーく見ると、
発泡スチロールをカットした文字が貼りつけてあります。
「職員で、作りました。一文字ずつカットして」
ひゃ~、もう聞いているだけでキュキュキューって音が聞こえてくるようなゾクゾク感。
この背景のおかげで、おとなしめな文学館に文アル感が醸し出されています。ぜひ、撮影のときにはこの背景も入れてくださいマセ。
もう一つ。
一人で来てもちゃんと楽しんでもらえる工夫があるんです。
お手製自撮り台。
スマホを挟んでおけるようになってます。「ご覧のように手作りのため、頑丈ではありません」という注意書きが、人の手の温もりを伝えております。
文学館の職員さんに声をかければ、撮影もしてくれますが、恥ずかしい場合は自撮りでどうぞ。
さらにさらに。
川端康成文学館で文庫本を購入すると、いつもとは違う特別オリジナルのブックカバーをつけてもらえます。自撮り台と同じ…いやいや、文アルの康成さんが巻いているストール柄。
文豪とアルケミストとの特別企画は、4月8日(日)まで。
横光利一との関係が伝わってくる企画展示は5月までです。もちろんどちらも入館無料。
そうだ。
文豪の世界に浸ったあと、ゆっくりお茶しながらその余韻も楽しみたいなら、
これまた、ちょこっと非日常空間にひたれるカフェがすぐ近くにあって、オススメですよ!
【川端通りカフェkirsikkapuu(キルシッカプー)は映画シーンのようなロケーション】の記事参照。
「うーん、ワシも行こうかのう・・・」
【川端康成文学館で、なりきってきた!映画「古都」公開記念・なりきり康成体験】の記事参照。
所在地: 茨木市上中条二丁目11-25 |
電話: 072-625-5978 |
開館時間 9:00~17:00 火曜日、祝日の翌日、12月28日~翌年1月4日 |
駐車場 39台(最初の30分は無料、以後30分毎に100円)、 (バスでの来館は要問合せ) 地下に駐輪場あります。 アクセス |
川端康成文学館は火曜日と「祝日の次の日」がお休みですので、お気をつけて。