茨フェス・森エリアが楽しそう!段ボール加工の松起紙工さんを訪ねました
はい、茨木ジャーナルです。
今年の初めごろ、ある集まりで出会った松起紙工株式会社という、段ボールケース製品加工販売をしている会社さん。
何気なく暮らす私たちの生活を支えてくれているお仕事はたくさんありますが、詳しい様子を知る機会は少ないので、興味があります。先日お話をお聞きしたところ、7月30・31日開催の茨フェスでも森エリアへ行くと、ほんの一部分を知る機会があるようです。
その内容について、松起紙工の仲真寛(なか みひろ)さんにお聞きした話を紹介します。子どもさん連れで茨フェスへ行こうと思っている方も、ぜひチェックしてくださいね!
段ボールケース製造加工販売って?
上の写真は、段ボールケースを作るための「木型」と呼ばれるものです。
普段よく目にする段ボールのケースは、二層の紙の間にクネクネと波打った紙が貼り合わせてある「段ボールシート」で作られています。松起紙工では、届いた段ボールのシートを木型に合わせて型抜きをして、段ボールケースを製造しています。折り曲げるところやカットするところなどを、段ボールシートに木型でプレス、型抜きをして仕上がっていくわけです。
(写真は、たーーくさん並んでいる木型たち!)
松起紙工では、いろんな会社が商品を梱包するのに使う段ボールケースを作っていて、うかがったときも「あ、知ってる知ってる~」という会社名の入った段ボールシートがたくさんあって、忙しそうでした。
では、今度の茨フェスで見られるのはどんなものでしょう?すると仲さんは「今年の春に新しい機械を導入しました」と案内してくださいました。
じゃーん!サンプルカッターという機械。
写真では動いている様子が見えないんですけど。静かにスススッと動いていました。今までは木型でプレスして加工していましたが、サンプルカッターなら木型でなく、コンピューターで段ボールシート加工ができるのだとか。
では、どんなことができるんでしょう?
茨フェスでのことも含めて、もう少し詳しく教えてもらいまーす。
茨フェスの森エリアでワークショップ体験!
「サンプルカッターを導入したことで、今までには難しかった細かい部分の加工もできるようになったんですよ」と仲さん。
手のひらに乗っちゃう段ボールケース~~!と、そのサイズにもビックリですが、仲さんのいう「細かい部分の加工」というのは、顔になってる目と口のところや、厚みのある段ボールを折り曲げる部分。こんな細かいところをキレイに加工することは、サンプルカッターだからできることなのです。
「サンプルカッターでどんなことができる?と、みんなでアイデアを出し合いました」
今回茨木フェスティバルでは、森エリアに行くと
貯金箱を作るワークショップ体験ができるそうです。
茨木市民の方は、もうお気づきですね?この箱に色を塗ったり目を描くと、ほ~ら!
茨木童子のできあがり~!
子どもさんが自分で組み立てて、色塗りまでを楽しめるようなキットです。茨フェス・森エリアでのワークショップに登場するのは、茨木童子のボックスですが、いろいろ見せてもらったなかには
わ~い!鉄子ちゃんもウレシイ、電車を作れるキットもありました。なんと連結してるという・・・・!!これは飾るだけでなく物入れにもなっているので、旅の記念の切符やチケットなどをとっておくのにもいいのかな~。
カワイイ、かわいい!と言ってますが、この形になるまでは苦労の連続だったとか。
「こんなのいいよね~とアイデアを出し合っても、実際に平面のものを立体にすることを考えていくのは大変。みんなで箱について勉強するところから始めました」と仲さん。
さらに、コンピューターで加工すればいいだけでなく、大切なことは「手にする人たちが、自分で組み立てられるようにすること」です。せっかく「電車のキットだ!」と喜んで買ってもらっても、一般の人が自分で作ることが難しければ「もぉ、こんなのできないー!」とお手上げ状態に。
「みんなにわかりやくて、作りやすいものを」と一生懸命考えて、今もいろんな試作を重ねています。
「こんな箱、できる?」に対応!!
サンプルカッターを導入したことで、もう一つ大きなメリットがありました。それが、小ロットの依頼に対応できるようになったことです。
今までは木型を作る必要があったので、試作にコストがかかりました。コンピューター(CAD)を使って加工できるサンプルカッターでは、コストを抑えることができるので「こんなのできますか?」という相談にも、柔軟に対応できるようになりました。
それによって、いろんなジャンルのお客様からの相談を受けるようになり、その中から最初に製品化されたのが、
「お祭りばんちょう」です。
その名のとおり、お祭りで使えるトレーで、フードとドリンクを乗せて会場でウロウロしやすくなる便利グッズ。ドリンクが倒れてしまったり、フードが滑り落ちてしまわないようになっているうえに、テーブルがない場所では膝の上に置いて飲食できるという心強いトレ―です。
贈答用のタオルもかわいいボックスに入っていると、贈られるほうもウレシイですよね。
同じデザインでも、目の部分などを少し描き足すと表情が変わるので、額縁を入れる贈答用ボックスとしてオーダーするクリエイターさんもいるのだそうです。
ココロをこめてユーザーへ届けたいという会社の思いを
いろいろ見せていただいた中で「ぜひ、見てもらいたいものがある」と見せてくださった箱がありました。
これは、株式会社ウインテックという輸入商社から依頼をされて作った箱です。見えるかな?箱の底部分にアルファベットで「THANKS」と文字が打ってあります。
「松起紙工さんだからお願いしました」というウインテックさんは、松起紙工は細やかな思いを表現してくれる会社だと感じて、商品を販売店へ届ける箱の加工を依頼したのだとか。
「一般の消費者の方へ直接、この箱が届くことはないかもしれないけれど、私たちの大切な商品を作った人、運んでくれる人、販売するお店、そして買ってくださるお客様。すべての人への感謝のキモチとして、こんな箱を使いたい」というウインテックさんの思いが表現された箱。
仲さんも「こんなところに感謝のキモチを入れたい、とおっしゃる社長の思いに応えたいと思いました」と話します。この箱は、木型で製造したものですが「こんなこと、できますか?」という相談される機会も今まで以上に多くなり、サンプルカッターも木型もフル稼働で、いろんな会社の思いに応えていらっしゃいます。
段ボールにできること
仲さんは
「サンプルカッターを導入することでどんなことができるだろう、と手探りだった部分はあります。でも、たくさんの方から『こんなことできる?』と相談を受けたんです。いろんな話も広がって『今までよりさらに、細かい対応をしていけるな』と感じています」と話します。
茨フェスの森エリアで取り扱ってもらえるのも「段ボールでどんなことができるか?」を考えたことがきっかけ。8月以降もいろんなイベントへ出展する予定で『お祭りばんちょう』のデビューも控えているそうです。
「段ボールは、いろんなことができると思う」といい、今後は「防災」についても考えていきたいと話してくれました。
例えば、段ボールを使ったパーテーション。今後はさらに改良を重ねたり、保管場所や災害以外での用途についても考えていきたいそうで「弱い立場の人たちも安心できるようなものを、段ボールの加工で力になりたい」と仲さん。
「こんなことできますか?作ってもらえますか?」と工場を訪れる会社も多いとか。「立体にすることを考えるのは、とってもムズカシイけれど、ご要望に応えていきたい」と話してくださいました。
仲さん、お忙しいところありがとうございました!
7月30・31日の茨フェスでは「森エリア」で松起紙工さんのワークショップ体験ができますよ!興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。
株式会社松起紙工
茨木市沢良宜西4丁目6-1
電話 072-633-0537
〒567-0868 大阪府茨木市沢良宜西4丁目6−1