茨木の農家【チキチキファーム】伊東充志さんの話 3

どぉも、いばジャルですっ。

茨木市見山地区の農家、「チキチキファーム・伊東充志さん」のお話。
今回、いよいよ最終回です。

<茨木の農家【チキチキファーム】伊東充志さんの話1>
<茨木の農家【チキチキファーム】伊東充志さんの話2>

会社を辞め、「農家」として3年目。
手探りで夢中になって進んでいく姿に、
周りの人たちからも応援してもらい、新しいご縁も広がっています。

昼は農業、夜はデザイナーという「チキチキファーム」スタイル

小さい時から、自分の手を動かして、
ものを作ることが好きだったという伊東さん。

チキチキファーム伊東さんと大根

日本一周の旅へ出るために、デザイン会社を辞めましたが
「デザインするのは好き。僕は、天職だと思ってる」と言います。

農業をスタートさせ、少しずつ野菜作りも軌道に乗ってきたこともあり、
最近は、デザインの仕事も少しずつ受けるようになりました。
「元々、こういう形が理想やったから嬉しいです」。

明るいうちは農業をして、夜にデザインをする。
いつかは、住まいも山へ移したいと考えています。

農家としてもその努力は認められ、
今年からは、チキチキファームで作る赤紫蘇も、
「見山の赤紫蘇」として販売できるようになりました。

茨木市の酒屋さんが作る「赤紫蘇サイダー」では、
チキチキファームの赤紫蘇も使ってもらうのですが、
その際「見山の赤紫蘇を使った…」と謳えるのは、
やはり、地元の農家にとってはウレシイことなのです。
赤紫蘇は、見山地区の名産ですもんね。

「サイダーに使う『赤紫蘇』の家紋(ロゴ)を作ったんです」と言って、
見せて下さいました。
他にも、出荷袋のデザインをリニューアルする話が出た時には
「僕、やります!」と手を挙げ、デザインをしました。

「デザインすることは、好きだから」と伊東さん。

右も左もわからないまま農業を始め、
出会ったチャンスに、一生懸命取り組み、
そこからまた、周りの人たちに支えてもらってきました。

そして今度は、
今までに手を貸してもらった周りの人たちのためにも
デザインを通してお返しをしているような、そんな気がしました。

伊東さんと速水さん

毎週金曜日にJR茨木駅そば「ギャラリーK2」でお野菜を売る、速水さん(右)と伊東さん。

茨木市で農業をする理由

農業を始めて3年目となった伊東さん。

スナップえんどう

真剣に「農業」を仕事にしようと考えていた時に出会った、能勢の農家さん。
大きなイベントでの偶然の出会いだったと言えば、そうなのですが、
伊東さんはその時
「(出展は)遠い地域のブースばっかりで、
なんかおもしろくないなぁと思って」、
ウロウロと会場を歩いていたと言います。

「どうせなら近いところがいい」と考えていたそうで、
なぜそう思ったのか聞いてみると、
農業を始めるきっかけとなった、日本一周の旅の話になりました。

伊東さんは旅へ出るときに、テーマを決めていたと言います。
『キレイな景色を見る事』
『美味しいものを食べること』
『温泉に入ること』の三つです。

「たくさんキレイな景色も見た。
ご飯もおいしかったし、温泉もよかったし。
色んな人にも出会って、家に泊めてもらったり
色んな話も聞かせてもらった」と伊東さん。

出会った人たちの中には、大金持ちの人もいたし、
夜逃げ同然で出てきた人や、事業に失敗したという人もいました。

「旅へ出るときにホワイトボードを持っていってたんです。
出会った人たちに記念に一言書いてもらおうって。
書いてもらったら、それを写真に撮っていきました」

出会って、色んな話を聞かせてもらい、
そのあとに書いてもらう「記念のメッセージ」。

そうやって、色んな人との出会いを
目に見える形に残していくうちに、
「あ、やっぱ、人やな」と思ったと話します。

郷土料理、素晴らしい景色、温泉と
どれも心に残る素敵な経験でしたが、
それらを思い出す時に一緒に甦るのは
やっぱり、旅で出会った人たちのことでした。

「今まで出会ったことのない、
色んな立場の人たちから色んな話を聞いてたら、
なんか、地元っていいなぁって思ったんです。
うまいメシがあるとこ、すごい景色があるとこ、
温泉があるとこ・・・って、いいとこを考えたら
茨木なんてそんな特長ってないかもしれない。
けど、友達がたくさんおる地元がいいなって」

今も心の底辺にずっと残っている、旅で出会った人たちとの時間が、
改めて、自分の周りにいる大切な人たちのことに
想いを馳せるきっかけをくれたのですね。

「好きな人がいっぱいおるから、地元がいい」。

伊東さんが茨木で農家をする理由は、とてもシンプル。
そして、それは伊東さんには、とても大切な理由なのです。

取材の終わりごろに
「昔は、こんなふうにしゃべったり、人と関わることって
好きじゃなかった」と伊東さん。
旅がきっかけで変わった?と聞くと、少しだけ考えて
「んー、そうかな、わかんない。
でも、旅してなかったら、農業もしてなかったし、
やっぱり旅は大きかった」と言います。

「旅に行って、農業をしよう!という決意になった」

簡単にまとめてしまえば、そういう話なのかもしれません。
けれど、旅に行くことも、会社を辞めたことも、
そして農業を始めたことも、
どれも伊東さんご自身が決心して、行動に移した結果。

いつもうまく野菜ができるわけではないし、
せっかく育てた野菜が、ダメになってしまうこともある。
それでも、「当たり前のことをやるのみっす」と伊東さん。

菜魂碑

本気になって決心して、
ただ決めたことに向かって地道に動いていく・・・。
シンプルな毎日が重なって、
地面にしっかり根付いた大きなカタチになっていくのかな、と
そんなことを感じた取材でした。

伊東さん、どうもありがとうございました!

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