いばらき郷土かるたの話-隠れキリシタン遺物と姉妹都市
はい、茨木ジャーナルです。
【茨木市の郷土かるた新旧を比べたら、どっちもスゴかった!】(2019年12月29日)記事で、茨木市について知ることができる「郷土かるた」が発売されていることを紹介しました。
それまであった「いばらきの郷土かるた」と比較しながら、新しい「郷土かるた」を見ていったものです。
年が明けて2020年。
1月半ばに連絡をいただき、郷土かるたについて話をお聞きする機会がありました。
お会いしたのは、わがまち茨木郷土かるたの監修者・東實文男(とうじつふみお)さん。
「もともとは、作者の中谷薫さんから『こんなん作ってるねん』と見せてもらったことが始まり。五十音一つ一つの読み札を考えてたけど、言葉が浮かばないと困ってはった札もあって、私も考えたんです」
読み札の9割はすでに完成していたそうで、東實さんがさらに「これを入れたら?」といくつかの札の文言を考えていきました。
「姉妹都市のことも入れたら?」
「茨木市内には、歴史の舞台になった場所も残っているし、いろんな出来事もある。遊びながら学べたら」と、さまざまな切り口で茨木市のことを紹介したのが、郷土かるた。
「言葉が浮かばない…という中に『お』の読み札があった。ちょうど『あれ?姉妹都市のことを書いた札がないなぁと思ってたんで」と、できたのが下の写真。
小豆島と竹田市について紹介した読み札です。
茨木市と小豆島町は1988年に姉妹都市に、竹田市とは2013年に歴史文化姉妹都市の提携を結んだ場所。
どちらも茨木市と同じようにキリシタン史跡や文化財が残っています。
「社会の教科書にも掲載されている聖フランシスコ・ザビエルの肖像画は、茨木市のお宅から見つかったもの。『隠れキリシタンの里』について知ってもらいたい」
中谷さんのそんな思いを表現した読み札が、完成しました。
(写真は2015年4月)
絵札には、小豆島の「教会型墓碑らんとうさん」と、竹田市の「異相地蔵」の写真を載せました。
「異相地蔵の写真は、撮っている私が写ってるんやけど」と笑う東實さん。
東實さんの話では、竹田市に残る「異相地蔵」は十字が標された観音さんで、珍しい遺物。
小豆島の「教会型墓碑らんとうさん」は、正面から見ると十字架が目立たないつくりで、小豆島特有のものだそうです。
「ザビエルが九州から堺、京都へと旅をするルートの中に竹田、小豆島、茨木があるという接点やね」
東實さんの話を聞いていると、茨木・竹田・小豆島それぞれで信仰が守られてきたんだなぁと、点が繋がってくるようなイメージがわきました。
(写真右が東實さん。左は紹介してくださった筒井重勝さん)
茨木市には、隠れキリシタン遺物が残っていること、歴史を知る貴重な文化財が多くあることなど、東實さんからはたっぷりお聞きすることができました。ここで紹介していることはほんの一部です。
お会いしたのは「郷土かるた」を販売していた、季節のごはんカフェsatonoさん。
後日、satonoさんには東實さんが執筆した「茨木と竹田」という本も置かれ、両市の深いつながりを読むことができます。興味のある方は、satonoさんで手に取ってみてはいかがでしょう。
もちろん郷土かるたでも、茨木市のさまざまな出来事やスポットを知ることができますよ!
■【「お茶しよ」って言いたくなる!-季節のごはんカフェsatonoとcafeブランシス】(2020年1月21日)記事で、satonoの場所をチェック!