気になるっ!元茨木市市民会館の今と跡地エリアの活用
はい、茨木ジャーナルです。
2015年12月に閉館した茨木市市民会館。1969年(昭和44年)の開館から40数年にわたり、茨木市の文化芸術活動を支えてきたスポットです。

ドンッ!と建つ元市民会館の姿に「どうなるのかなぁ」と気になってる方も多いのかなぁ。茨木市企画財政部政策企画課で、ちょっとお聞きしてきました。ざくっと整理してまとめます。
市民会館跡地エリアの活用構想って、どんなかんじ?
茨木市市民会館(以下、元市民会館)は、経年劣化による維持管理費の増加や、耐震性・バリアフリーの面での課題があり、2015年に閉館しました。
建築基準法などの法的な問題や機能・施工上の問題で、耐震・バリアフリーの課題をクリアすることも難しかったようです。
元市民会館を建て替える‥というか、それも含めて、元市民会館跡地エリアをどう活用するのがいいかの検討が進められました。
市民の思いも大切にしながら…
元市民会館跡地の活用は、社会情勢や政策課題の面からだけでなく、市民アンケートや100人会議、ワークショップで出た意見からも検討し、整理されています。
市民の意見から集約されたのは「ホール」「憩い」「交流」「にぎわい」という4つのキーワード。
求められている視点は「ハレの特別な日」と「日常のいごこちのよい場所」です。
ふむ…。
さらに、まちの中心という立地性、まちづくりの視点なども加えてコンセプトが検討されているとのこと。
ふむふむ…。
キーコンセプトは「育てる広場」

で?で??
ついつい結論を求めてしまうのですが、具体的な施設機能や規模は、今年度も引き続き検討していくのだそう。
そっか。まちの真ん中、これまでも多くの方がいつの間にか親近感を持ってたエリアですもんね。ちゃちゃ~っと決めるわけにはいきません。
どちらにしても、憩いや交流やにぎわいをキーワードにしながら、利用シーンも「これ!」と限定せずに幅広くいろんな人が活用できるエリアになるのかなぁと、勝手に想像しています。
今年4月の広報いばらきでは「コンセプトである『育てる広場』の実現に向けて…」という茨木市長のお話も載っていたっけ。
この「場」をどう使い、活用していくのか、変えていくのか。「育てる広場」は、私たち市民の手によって作り上げられていくもののようです。
やっぱり気になる元市民会館。今、どうなってる?
新しくどうなっていくのか…は、まだよくわからなかったんですけど、元市民会館の今の様子も気になります。

というわけで、今回は閉館している元市民会館の様子を少し見せていただきました。

懐中電灯片手に覗いてきましたので、ちょこっと紹介しますね。皆さんにとっての懐かしい場所があるかなぁ。
まず最初に入ったのは、ココ。

ドリームホールです。こうして見ると、以前と何も変わっていないような気がしません?
「備品など、運び出してしまってるので何もないですよ」とのことですが、

照明はそのまま。これは建物がなくなったらどうなるんだろう?
「売ったらいいのに~」なんて思ってしまいます。お店をこれからオープンする人とか「思い出にぜひ!」なんていう方もいるかもしれません。LEDではなさそうですけど。

動かなくなった時計も、電池入れたら大丈夫かも。うーん、捨てるのかなぁ。
(誰か欲しい人に買ってもらったら?と、また思う…)

ホール隣の倉庫は、以前は置いてあったテーブルやイスももうなくなっていましたが、

くじ引きの箱のようなものが。忘れ物でしょうか。

ドリームホールを出て、売店や受付があった場所へ。このホールの扉も、記念に誰か欲しい人いそう…
(…って、売るかどうか知らないけど)

フォントがかわいい「ドリームホール」のサイン。誰か記念に…って、もういいか。
ドリームホールからエントランスのほう
ホールを出たところにトイレがありましたよね。もちろん、そこもちょっとチェック。うん、以前と変わりはありませんでした。
このスペースだけを見ると「なんだか、まだまだ使えそう」と思っちゃいますが、耐震面の課題をクリアするのが難しかったそう。

例えばこの柱も、そう。
壁も耐震補強の工事をすれば、このスペースを壁と柱が占めることになって、使える空間がぐんと減ってしまうんだそうです。
んー、確かに快適になるはずの工事…にはならないか。
懐中電灯で照らしながら、その先へと歩いていきます。

備品は運び出しているのですが、備え付けの棚はそのまま。
「肝試しとかできそう」と一瞬思いましたが、だめだめ!安全に何かに使えそうな建物なら、閉館することはなかったもんねぇ。

受付の横の壁面は、改めて見るとアートっぽいような雰囲気。2階の大ホールの出入口のところもデザイン性のある壁になっていました。
文化芸術を支える施設ですし、細かい部分のデザインもそれを感じさせるように作られているんですね。
建物が取り壊されることを想定して設置されてはいないので、これは…、どう撤去するんだろ。ちょっと切ない…。

受付横には、今も動いている時計があって、その下には元市民会館の閉館イベントのお知らせが掲示されたままになっていました。
食事と喫茶「すずらん」へ
隣の文化福祉会館側にある「すずらん」へも入らせていただきました。

今はちょっと北側へ移転していて、2017年3月に【旬彩すずらんでランチ-茨木税務署近くのランチができるお店-】という記事で紹介してたっけ。

がらーんとしています。入って右側に広い厨房があって、カウンターがどーんと設置されていました。このカウンターにできあがった料理が並んだりしてたんだろうか…。
よく見ると、

「めっちゃきれいな人が来る!!」って貼り付けてありました。
誰?誰が来たんッ?!

今にも鳴りだしそうな電話。そういえば、ダイヤル式の電話も見かけることが少なくなりましたなぁ。
ロケに使えそうな電気機械室
案内していただくうちに、もう今どこにいるのかもよくわからなくなってきました。
導かれるまま、地下へ移動しまーす。

元市民会館は、ほとんど電気のつくところがないのですが、この階段はときどき点く。「点けて降りていって、ふっと消えたりするんです」と職員の方。こーわっ。

元市民会館のおそらく心臓部分だったであろう、電気機械室へ。

なんのマンホールかわかりませんけど、南京錠がかけられてます。「下から急に開けられたりするのか」と想像して、だんだんと無口に。

何かの装置。電話みたいなものもあります。元市民会館と市役所って、内線で連絡が取れるようになってたそうです。
「閉館後、あれ?と思うところから着信があって、調べてみたら元市民会館やったりしたこともあった」
もう…、今夜ひとりでお風呂入られへんようになったらどうしてくれるねん!みたいなエピソードも紹介してくださいました。ご丁寧にありがとうございます・・・。

装置のなかには、一部故障したものも。新しくしたいところだけど、代用できるものがあればそれでなんとかしたり…と、閉館前にはご苦労もあったのかなぁと、勝手に想像。

それでも、替えのきかない重要なところのものは新しく入れ替えたりもしてたんでしょうねぇ。難しいよなぁ、こういう施設の管理って…などと、管理の経験もないのに思ったりして。

期間ごとになにかのルールもあったんでしょうか。大きな事故なく元市民会館がここにいられたのは、陰で支えてくださった方々がいたからなんですね。
ふと、そばを見ると…、

こーっわ!
もう、なにかの事件が起こったあとみたいになってるやーん…って場所もありました。(これは閉館してからの掃除や作業の痕跡っぽいです…)

元市民開館大ホールへ
元市民会館は、結婚式会場としても利用されていたといいます。広い和室もあって、会議や研修の会場としても使われていたようです。
記事の最初のほうで、元市民会館跡地活用について市民アンケートも実施した、と書いています。
元市民会館の利用頻度に尋ねたところ「年に1~2回ぐらい利用」という回答が一番多かったそうで、シンボル的な建物のわりに、頻繁に利用していたわけではないみたい。
それでも、心の中で「あの市民会館が…」という思いになる理由の一つに、ここが成人式の会場だったこともあるのかも。

大ホール、入ってみます。

バーンと見えるかなぁと思いましたが、大ホールの照明はもう使えなくなっていて真っ暗。足元をしっかり照らさないと、舞台から転げ落ちてしまいます。
しーんとしたホール内で、1分に1回、時計の針が動く「カーチッ!!」という音が響いて、ビビります。

かろうじて見えた客席。
このイスも欲しい人がいるのでは、と思ったのですが「これ、重いですよぉ」と職員の方。運ぶのが大変だそう。(いや、売るって話がそもそもないし)

一脚ずつ設置してあるのでなく、連結された状態で設置されているので、欲しい場合は一列ドンと引き取らないと…。(だから、売るとかあげるって話になってない)

今は、車イスの方用のスペースが確保されていますが、昭和44年に作られた当時にはこのスペースはありませんでした。そのため必要に応じて、職員の方が手作業でここの一列のイスを撤去していたのだそうです。「重いですよぉ」というのは、その経験からなんですね。

出入口の外に後付けでスロープが設置されています。車イスの場合は、1階からエレベーターであがり、いったん外へ出てホールへ入った…ということのようです。
昭和44年当時の建物には、バリアフリーが考慮されることは少なかったんですね。大ホールへ入る階段は急こう配で「バリアフリー化が課題」ということがよくわかりました。
大ホール前のスペースも今は広いけれど、耐震補強をすれば狭くなり、人が滞留しづらくなりそうです。
実際に見せていただくと、多くの人が安全に、安心して使えるようにするためには、建て替えは仕方がないなぁと、改めて感じました。
大ホール前の柱には、

元市民会館のオープンセレモニー時の写真が飾ってありました。

アートっぽい壁面と揃えられたようなイスもあったんだねぇ…。

自転車置き場へ行くところも、噴水だったんだけど…。

さぁ、どう変わっていくんでしょう。
「育てる広場」をキーコンセプトにした元市民会館跡地エリアの活用…かぁ。
子育て世代とか高齢者、うちら世代のおっちゃん・おばちゃん、ピチピチの学生や子どもたち…。
いろんな人が、気負わずふら~っと使えるような空気が漂うエリアになればいいなぁと、思いました。
もっと詳しく知りたい!という方は【茨木市市民会館跡地エリア活用基本構想(案)】という資料が公開されていますので、チェックしてみてくださいね。
タグ:市民会館
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