茨木市のプラネタリウム「光学式投影機MS-8」引退セレモニー
はい、茨木ジャーナルです。
2023年8月20日(日)。
大阪府茨木市立天文観覧室のプラネタリウム「MS-8」が、多くの市民に見守られながら、50年以上におよぶ歴史に幕を閉じました。
大阪府内最古の投影機として、親しまれてきたMS-8の引退セレモニーに、いばジャル市民レポーターさんも参加。
その様子をレポートしてくれています。
ありがとう!光学式投影機MS-8引退セレモニー
8月20日(日)、茨木市民に長年愛されてきた茨木市立天文観覧室のプラネタリウムが終了となりました。
今年11月26日に開館の新施設おにクルへ移転する中条図書館の閉館と共に、移転となるプラネタリウムが一足早くにお別れです。
8月3日~18日 の木・金・土・日曜には一日3回、天文観覧室の最後を飾るスペシャルな投影がされていたようです。
そして、いよいよラストとなる8月19日(土)、20日(日)は10:30、12:30、14:00、15:30の4回投影でした。
茨木で育った方なら、誰もが一度は行ったことのあるとても身近で親しみのある中条図書館のプラネタリウム。
近隣の保育園、幼稚園、小学校などでも社会見学などで利用されており、私自身も幼いころから利用していたプラネタリウムです。
プラネタリウムの最後の日を見届けたい!
ぜひともラスト投影と、引退セレモニーに参加したいと、15:30からの部を目指し、50分前に到着。
毎回先着順ということで、さあさあ、どれくらいの人がいるかと思いきや………!!!!
なんと!もう満席!!
甘かった……もっと早く来るべきだった!
茨木市民おそるべし……。
そしてすでに、引退セレモニー観覧のための行列が!
引退セレモニー開始まで、1時間半以上もある……が、並ばないとそれも見られない!
はい、並びました。
その間にも続々と参加希望者が増えていきます。すごい!なんの人気アトラクション!?
参加者の年齢はミドルシニア世代が多いように感じました。
やはり私と同じで、懐かしい思い出あるこの場所を最後に見ておきたいという人が多かったのでは?
これだけの参加希望者がいることを見て、やはり、本当に市民に愛される場所であったんだなと改めて感じた日でした。
引退セレモニーに参加できた!
ラスト投影を見ることはかないませんでしたが、待ったかいがあり、結果的には一番参加したかった引退セレモニーに参加できることになりました。
1階から7階のプラネタリウムまでは、この50年間の階段年表があり、さまざまな出来事が記録されています。
入り口にはスタッフ手作りの画用紙の廃材を使ったお星さまも☆
久しぶりに訪れる中条プラネタリウムは何年たっても変わらないとても小さなアットホームな空間です。
50周年の投影機MS-8はなんと大阪で最古の投影機ということで、解説員の方からはMS-8の機能やどのように投影していたかの普段聞くことのできなかった説明をしていただきました。
スカイライン(水平線に見えるや山脈や建物などを映し出すための飾り)と呼ばれる茨木市内の風景の描写も、なくなってしまったエキスポランドの遊園地の部分に、新しくできたエキスポシティを紙で貼ってるなど、手作り感満載(笑)。
通常のプラネタリウムであれば、そのとき映し出されている星空が何時のものかが時間が記録されているらしいのですが、この茨木市の投影機にはその機能がなく、茨木市の解説員の方は、星空の映像を見て、何時の星空かを記憶しているとのこと!
いかに茨木市の解説員が優秀であることか!
少しずつ壊れていたり、不具合の出てきたMS-8の特徴を理解しながら、長年ずっと上映をしてくださっていたようです。
いよいよラスト…!
ゆっくり、満点の星空を眺めながら、解説員さんの説明の元、最後の投影を鑑賞し、消灯の時となりました。
消灯、真っ暗な空間になり、「メインスイッチをオフにします」との声があり、完全消灯、参加していた人たちみんなが拍手でMS-8を見送り、終了となりました。
すごく癒される、落ち着いた、けれど寂しいと感じる瞬間でした。
大阪最長年齢50才の茨木市の投影機が引退となることで、今後は46才の大阪狭山市の投影機が最長年齢に。
大阪狭山市の職員さんも引退セレモニーに参加され、たすきの引継ぎが行われました。
中条図書館も8月31日で閉館。プラネタリウムと共に新しい施設おにクルへ移転となります。
私にとって、中条図書館はこどもの頃から何度も足を運んだ図書館であり、今も週に何回も利用している図書館です。
茨木の新しいランドマークとなるおにクルに移転することになり、新しい図書館(ブックパーク)とプラネタリウムがどんなところになるのか、期待いっぱいです。
ただ、自分自身のこども時代の思い出から、自分のこどもたちとの思い出も多く、閉館してしまうことが本当に寂しく切ない思いです。
最後の投影、引退セレモニーに参加できて本当によかった!
これまでの思い出と共にずっと忘れないと思います。
ありがとう!MS-8!お疲れ様でした!
ちなみに、MS-8はおにクルに展示されるそうです。
新しいプラネタリウムを見るのを楽しみに、MS-8の展示を見るのもとても楽しみです!
茨木市立天文観覧室(閉館) 場所:茨木市東中条町2-13(合同庁舎7F) 設置:昭和48年(1973年)1月 ドーム系:8m 座席数:57 光学式投影機:ミノルタMS-8 ハロゲンランプ デジタル投影機:ステラドームプロ/JVC LX-UH1 |
《以上 文:tenten》
プラネタリウムのこと
「予想以上の大盛況。100分待ちとなりましたが、引退セレモニーへ参加できました」
「いろんな思いでがよみがえり、ひとりでこっそり涙がこぼれるというセンチメンタルな時間でした」とtentenさん。
編集しながら私もウルウルしてしまいました。
記事の中で「いまはなくなったエキスポランドの遊園地に…」というのは、
これですよね。
切り絵作家さんによる作品だと聞いたことがあります。
天文観覧室前のホールは、美術家・中島麦さんが手掛けたステキな空間になっていました。
すてきなプラネタリウムでしたよね。
ちょっと寂しいけど…、おにクルのプラネタリウムへ引き継がれて、また幻想的な時間を過ごせることを楽しみにしたいと思います。
プラネタリウム関連記事3つ
プラネタリウムのことを最初にいばジャルで紹介したのは、2016年でした。
このときに「投影中に寝てもらったら一人前」とおっしゃっていた解説員さんの話も、忘れられないなぁ。
■2016年11月6日公開
【茨木のプラネタリウムで、オトナが行ってもテンションがあがるもの見つけた!】
また、公共施設にアートをずっと…という取り組みで、美術家・中島麦さんが作品を作ったのも2016年から2017年だったと思います。
作品の一つの舞台となったプラネタリウムでは、トークイベントも開催されていました。
■2017年6月20日公開
【公共施設・茨木市役所やプラネタリウムへ!ハブ・イバラキ(HUB-IBARAKI)アートツアー】
アートツアーの記事を見ると、懐かしい風景が出てきてちょっとうるうる…。
■2017年2月26日公開記事もどうぞ。
【茨木のアート制作・作品が見られる市内公共施設3つのスポット】