いばらきおもちゃ病院って?ドクターはどんな人たち?
はい、茨木ジャーナルです。
※記事更新(2019.8.28)追記しました。
11月に開催されていた「環境フェア」へ行ったときのこと。「エコ」につながる活動をしている団体などが、さまざまなブース出展をしていて、その中に
いばらきおもちゃ病院のブースがありました。
以前は、阪急本通商店街にある「茨木にぎわい亭」を拠点に毎月開院していましたが、今は大手町で月に1日、おもちゃの修理をしています。
「いつでも来てくれていいよ」と言っていただいたので、修理してほしいおもちゃは見当たらなかったんですけど、行ってみました。
■【「エコポイントってなに?」と、環境フェアへ行ってきました!11/19も、ぜひ。】の記事もどうぞ。(2017年11月)
※追記:いばらきおもちゃ病院は、2019年7月にお引越ししています。
【いばらきおもちゃ病院とカフェハーモニー、心斎橋商店街に移転してまーす!】(2019年8月28日)記事参照。
下記は、2017年12月取材時のものです。
いばらきおもちゃ病院ってこんなところ
2016年3月にも【おもちゃの病院があった~!】という記事で、にぎわい亭から移転しているおもちゃ病院を載せていました。
いばらきおもちゃ病院は、心斎橋商店街の南側信号を渡って直進。「カフェハーモニー」のスペースで開院しています。
毎月第土曜日に開院しているのですが、12月だけ第3土曜日に変更となっていました。
扉にもクリスマスの飾り付けがあって、かわいらしく迎えてくれているのですが、中の様子が見えないし声もそんなに聞こえないのでドキドキしながら、扉を開けてみました。
おぉ…、賑やかでした。
入ってすぐのところに受付があり、お客さんが「ここが調子悪いんです」とおもちゃを見せていらっしゃいます。その後ろのスペースで、多くのおもちゃの修理作業中。皆さん、真剣な表情で手を動かしていらっしゃいますが、夢中になって作業している様子は楽しそうです。
おもちゃの修理をお願いするには?
いばらきおもちゃ病院は、大切なおもちゃや思い入れのあるおもちゃの修理を、ボランティアドクターが無料で治療してくれるところです。
修理の依頼は診察日に、修理を頼みたいおもちゃと、外れたり壊れた部品やパーツ、取り扱い説明書などを持って行きます。受付で症状を説明し、預かり証を受け取り、治療が終われば預かり証を提示して受け取ります。
その日のうちに治療が終わるおもちゃもありますが、中には入院となることもあります。
おもちゃ病院の修理代は無料です。
部品を調達して交換した場合などは実費がかかり、たいていは数百円。高額になる場合は事前に相談してくれるのも安心です。
故障で多いのは「音が鳴らない」「音が鳴りすぎる」「動かない」という内容だそうです。おもちゃの中には、取り扱いのできないものもあるそうですが、一度まず相談してみてほしいそうです。
おもちゃ病院のドクターはどんな人?
いばらきおもちゃ病院では「形成外科・心臓外科」「脳神経外科」に分かれて、ドクターが修理していきます。
上の写真の救急車は、動かなくなったと入院。動かすためのスイッチを「形成外科・心臓外科」部長が作っています。
ちなみに「ここには、部長しかいてないからね」だそう。オモシロイ。
ドクターは皆さんそれぞれに、修理するための「玉手箱(道具箱)」を持っています。また、必要になりそうな小さな部品なども、
別に入れて持ってる方も。部品の入ったフィルムケースには、何が入っているか記入しています。実は、一つのケースに4箇所ぐらい記入してあって、これは「ケースがぐるぐる回ってもさっと取り出せるように」という工夫です。スゴイ~!
動かなくなったラジコンカーも入院中で、これは「脳神経外科」で修理します。
目に見えない電波を使って動かすおもちゃの修理には、電波を出す側と受ける側が同じ周波数かどうかを調べる装置が必要だそうで、なんとその装置もお手製!
難しい回路の設計図…?など、これまで修理したものを保管するなど、HowToをどんどん蓄積していってるようです。
おもちゃドクター、前のおしごとは?
皆さんは、もともとどんなお仕事をなさっていたのか、聞いてみました。
半導体の開発をなさっていた方もいらっしゃいますが、管理業務や営業、薬品の研究、空港でジャンボジェット機の誘導をしていた方など、機械とは直接関係ないお仕事をしていた方が多いようです。
「家でも、いろんなものを修理してましたね。好きだったんでしょうね」とか
「機械に強いとは思ってなかったけど、仕事で工場へ行くと『あれ?意外と機械のことがわかるなぁ』と気付いたりして」と、特別なことでもないよ、というふうにさらっとおっしゃいました。
好きだからやってる…という感じなのかなぁと思って、おもちゃ病院のどんなところが楽しいのかも聞いてみました。
「どうして動かないのか、原因を探していく過程がおもしろい」
「動かなかったおもちゃを動くようにする、その作業が楽しい」
など、おもちゃの不具合の原因を考え、直していく作業の過程を楽しんでいらっしゃる様子です。
「どこがおかしいのかを考えて、ときには、販売されていないものを作ることもある」と聞くと、おもちゃを持ってきた人たちの気持ちになんとしても応えたいという熱い思いで、作業してくださってるんだなぁと感じました。
「おもちゃが直ったのを見て嬉しそうにしていると、こちらもウレシイ」
「子どもやその親御さんなど、自分たちより若い人たちと接点を持てるのはイイね」と作業を通して、おもちゃの持ち主さんとの交流があることに楽しさを感じている方もいらっしゃいました。
おもちゃだって年をとる
病院の受付が終わると、この日に預かったおもちゃの確認をしていきます。
「おしゃべり掃除機」「入院!」
「救急車」「入院!」
「犬のダッキー」「修理保管!」
「トーマス」「即退院!」
いばらきおもちゃ病院のホームページでも、修理したものの紹介してあります。それを見ていてもほのぼのとした雰囲気が伝わってきますよ。おもちゃって愛らしいなぁ、と。
この日に聞いた中で印象に残ったお話があります。
「ぬいぐるみの足が折れたと持ってこられたことがあったんです。外側の布部分を開いて、中の足を接着・補強して、また外を縫い合わせる。でも、最初と同じ強さには戻らないし、布の縫い合わせもキレイにはならないかもしれない」
「おもちゃも年をとる」というお話でした。
「修理で最初と同じに戻ることはない。でも、大切な人にもらったとか、帰省する孫が遊ぶからなど、おもちゃへの思い入れがあるんですよね。だからその思いに応えたいなと思ってます」
「おもちゃにも寿命があるかもしれないけれど、それはおもちゃの故障じゃなくて持ち主の気持ちで判断できたらいいのかなぁ、わかんないけど」
プロだなぁと感じました。
いばらきおもちゃ病院はボランティアのグループです。
イオンで買い物をすると、時々黄色いレシートをもらうことがありますよね。
あの黄色いレシートは、その金額の1%がボランティアグループに還元されるのだそうです。イオン新茨木店(元ジャスコ)でお買い物をしたときには、その黄色いレシートを「いばらきおもちゃ病院」と表示されているボックスに入れると、いばらきおもちゃ病院へ還元されるようですよ!
ぜひ、ご協力くださいね。
いばらきおもちゃ病院の皆さま、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
【いばらきおもちゃ病院】HP http://ibatoyhosp.sakura.ne.jp/
所在地: 茨木市大手町1-16 |
電話: 072-620-6463(カフェハーモニー) |
開院日時 毎月第4土曜 10:00~15:00(受付14:30まで) |
駐輪・駐車スペースはありません。 |
情報公開ありがとうございます。興味深く記事を拝見しました。
このような「おもちゃ病院」は他にも多くありますが、それぞれ活動スタイルは様々あります。
診療部長や玉手箱などユニークなアイデアは、子ども視点で考えられたのでしょうね。ほほ笑ましくなります。
当方、糸魚川「おもちゃクリニック ゆりかご」でも、大いに参考にさせていただきたいと存じます。