茨木イベリア同盟締結♪企画第一弾は2月27日開催!<インタビュー>

はい、茨木ジャーナルです。

今回はおもしろそうなイベントの紹介です。
とはいうものの、実は「んー、でもちょっとわかりづらいなぁ。もう少し詳しく知りたい」なんて思っていたので、お話を聞かせていただくことにしました。イベントの内容と一緒に紹介しますね。

スペインdeポルトガル

まずは、イベントについてご案内。
ハポロコでファドのライブのチラシ

茨木ジャーナルでも前に紹介したエスパーニャバル・ハポロコ。そのハポロコ1号店「ラ・ガジェガ・デ・ハポロコ」(阪急茨木市駅そば)で、ファド(ポルトガルの大衆歌謡)のライブが開催されるというチラシです。

ハポロコさんの記事、ファドについての記事はそれぞれ、
【春日商店街のハポロコでランチ始まった!!】の記事
【茨木とポルトガルは繋がりがあるの?】の記事をご覧ください。

イベントの案内チラシにある「茨木イベリア同盟」のワード、気になります。ライブの会場「ラ・ガジェガ・デ・ハポロコ」オーナーの三富亮平さんと、ライブでポルトガルギターを演奏する月本一史さんにお話をお聞きしました。

イベリア半島の空気を知る二人の同盟

スペインとポルトガルは、どちらもヨーロッパ大陸の南西端にあるイベリア半島に位置する国です。今回お話をお聞きした月本さんは、大学卒業後にポルトガル音楽の研究のためにポルトガルへ留学していました。またハポロコのオーナー三富さんは、会社勤めを経て26歳のときにスペインへサッカー留学をしていました。

ハポロコ三富さんと月本さん

「ヨーロッパのイベリア半島での生活を経験した人間が、茨木っていうローカルな街で出会うっていうのが、おもしろいなあと思って」と、ポルトガルギター奏者の月本一史さん。

2015年の11月に共通の知人に紹介されて出会った二人は「ローカルな街で、イベリア半島留学の経験がある人と出会えた」ということに加えて、実は同い年だったこともわかり、さらに驚いたと話します。

その出会いから生まれた「茨木イベリア同盟」だそうですが、ただ「一緒に何かやりましょう」というものではないような雰囲気がある二人。どんなことを考えているんでしょう。

留学のこと

― お二人はそれぞれ、どうして留学しようと思ったのですか?

月本「留学したのは大学卒業後だったんですけど、ポルトガル音楽やポルトガル音楽の歴史の研究で行ったんですね。専門的なことを仕事にしたいと思っていたし、人がしていないことをしたいという気持ちもあったし」

三富「留学を意識したのは、18歳ぐらいですね。プロのサッカー選手を目指して。でもいったん会社勤めもしたんです。プロを目指してる社会人って意外と多いんですよ。それで最後の最後に試そうと思って、26歳のときに会社を辞めて退職金を全部使って留学したんです」

月本「スペインを選んだのは、どうして?」

三富「本当はね、イタリアとか他の国に行きたかったんです(笑)。でも、僕が留学しようと思ったタイミングで、イタリアへの留学先がなくって。スペインならあるよと言われて、それでスペインに行ったんです」

― 留学してみてよかったって思うのは、どういう部分ですか?

月本「僕はポルトガル音楽のことを学ぶ目的だったけど、それは、日本にいるのではわからないことだらけだったから行ったんですね。行ってみたらやっぱり、自分の知らないことだらけ。日本では勉強できないから現地へ行かないとあかんって、自分を追い込んでいた部分があったから、やっぱり得られるものがすごくたくさんあった気がします」

三富「旅行っていうんじゃなくて、留学ってそこの国に『住む』でしょ。期間は短くても。そうすると、スペインの人たちの自分の街に対する思いみたいなのを感じるんですね。自分のところに対する愛着っていうのか・・・。茨木に住んでる人と、そういう部分は近いなって感じました」

月本「三富さんも僕も、たぶん『行かなアカン』みたいなところがあって、だからその国や街の人たちから感覚的に得るものがたくさんあったのかもしれないですね」

三富「タイミングってあるでしょうね。僕は26歳のときに会社を辞めて留学したけど、もっと前にも行こうと思ったら行けた。だけど、そのときの僕ではやっぱり行けなかったって思います」

ハポロコ店内のフラッグ

茨木へ帰ってきて考えたこと

― 「ここで行くしかない!」というタイミングで留学したからこそ得られたものがあったとのことですが、留学を終えて帰ってきたときには、どんなことを考えていたのですか?

月本「そうですね、やっぱり追い込んで行ったのは大きかったかも(笑)。日本の人が知らないことを知ったわけだし、経験もできたっていうのは、その国に行かないで学ぶのとは全然違う。人の知らないことを知るっていう優越感もあったかなぁ。でも、それで満足するのは違うと思いましたよね」

三富「僕は、帰ってくるときにスペイン料理の店をしようって思いました。帰国してすぐ、大阪のスペイン料理の店で働いたんです。でも、店をするなら茨木って決めてました」

― 育った場所だったからですか?

三富「茨木にはスペイン料理、うちみたいな『バル』スタイルの店が多くないって思ったから。やったもん勝ち(笑)」

月本「確かに(笑)」

三富「必死でレシピを学んでやろうと頑張って、それで茨木で店を開いたんです」

月本「三富さんって、熱いでしょ。その熱さが面白さなんだけど、ちゃんと3店舗も店をオープンさせていて、地に足をつけてる人だなぁと思うんですよね」

三富「僕、3店舗も出すつもりなんてなかったんですよ」

月本「そうなの?」

三富「若い子を育てたいなぁと思って」

月本「三富さんは茨木SCっていうサッカーチームも作ってるからね。サッカーチームでも、ちゃんと若い人たちを育てたいって言ってましたよね」

三富「茨木のサッカーチームができたらいいなぁと本気で思っていますよ」

― たまに「大好きなことをやるために、仕事をしている」という人がいますが・・・。

三富「んー。(少し考えて)いや、僕は違うかな。やっぱりスペイン料理の店をするのも、お客さんに喜んでほしい思いがある。サッカーチームも、本当に若い子に成長していってほしいと思っていますね」

今の仕事を選んでいる理由

ハポロコ店内カウンター

― お二人のそれぞれのお仕事は、留学の経験があったからだと思うんですけど、その仕事を通してどんなことを実現したいと思っているんでしょう?

三富「やっぱり、一番はお客さんに喜んでもらうことですよね。どんなに大変でも、お客さんが楽しそうに過ごしてくれているのを見るのが一番うれしい。店のスタッフとお客さんとが笑顔でしゃべっていたりするのを、ちょっと離れたところから見ているときが、本当に幸せな気持ちになるんですよね」

― さっき「若い子を育てる」という言葉がありましたけど

三富「そう。ここで働いてくれている人たちの成長を見たいっていうか。いろんなことを教えるし、でもそれだけじゃなくって自分たちで考えて行動もしてほしいって思うでしょ。だから、彼らが成長していける環境をと考えると、成長できるためのハコ(店)が必要なんですよね」

月本「若い子を育てるっていうのは、僕もわかりますね」

― というと?

月本「その国へ行ったから知ったこと、日本人が知らないものを知ることができたっていうのはあります。でも、それだけで終わらせるのは自己満足っていうか。例えばポルトガルのことに興味を持った人がいたときに、どこの誰を頼ったら情報を得られるのかがわからなくて、深く知ろうとするのをやめてしまったとする。それって残念でしょ。そういうときに訪ねてもらえるように、旗を揚げていたいんです」

三富「そうそう。スペインのことを知りたいって思ったら、僕のところで訪ねてもらったら、ガイドブックではわからないこと、生活することのヒントみたいなものを伝えられる。経験したことを伝えられるんですよね」

月本「僕は、ライブをしたときに『ポルトガルに旅行したときのことを思い出しました』っていう感想をもらったときに、すっごくうれしかったんです」

三富「あ、わかる!そうそう!それって『ポルトガルに行った気分になりました』ではないんですよね」

― 月本さんのライブでは、ポルトガルワインを飲んだり、ポルトガルのお菓子をつまみながら演奏を聴けるようするなど、こだわっていましたよね。

月本「そうなんです。三富さんの店も、こだわってるでしょ?」

三富「ラ・ガジェガ・デ・ハポロコ(阪急茨木市駅)とエスパーニャバル・ハポロコ(春日商店街)とでは、揃えてるビールもワインも違いますからね。ガリシアワインやガリシアビールはラ・ガジェガでしか飲めない(笑)」

― お二人とも、そこまで突き詰めているのは、どうして?

三富「知ってほしいんですよね。自分の街の人に、スペインのことを発信したい」

月本「自分たちが、楽しかったり、驚いたり、感激したものを伝えたいっていう思いなんでしょうね」

― あぁ、私が茨木の中で見つけた、誰かに話したくなることをいばジャルに載せるのと同じ?

三富「そうそう、それ」

月本「知ってもらって、それを楽しんでくれる人がいるとウレシイでしょ」

茨木イベリア同盟が目指すこと

2016年2月ハポロコ外観

自分たちが経験してきたことが、それぞれに「特長」として今の仕事に繋がっている月本さんと三富さん。その仕事を通して、茨木の人たちへ情報を発信したいと考えています。今回「茨木イベリア同盟」と名付けて一緒にイベントを考えた理由を聞きました。

ハポロコ店内で記念撮影の準備

「点でなく、線にしたい」と二人は言います。

留学したことで文字通り「世界が広がった」お二人。だからこそ「こんなに世界が広いのに、小さな茨木の街でイベリア半島で生活をした人と会えたこと」に大きな意義を感じたのかもしれません。それぞれが旗を揚げつつ、ある部分で連携することで、ポルトガルやスペインに興味を持った人に情報が届きやすくなるのではと期待して「茨木イベリア同盟」が生まれたのかなぁと感じました。

「茨木なんて小さな街なのに、なんでかわからないけど、スペインやポルトガルに旅行する人、多いよね~ってなったら面白いと思う」と笑いながら話してくださいました。
太陽のように熱い三富さんと月のように穏やかな月本さん、楽しいお話をありがとうございました!

スペインやポルトガルに興味のある方はもちろん、月本さんや三富さんに興味を持った方も(笑)、2月27日のイベントはまだ少しお席が残っているようです。
ライブに関するお問合せ、チケットの申し込みは http://mtec-pt.biz/ M.T.E.c公式サイトへ

ハポロコ店内で三富さんと月本さん1

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