桂吉弥・春日寄席が再開。落語家もビックリの対策がこれ!
はい、茨木ジャーナルです。
茨木市に縁のある落語家・桂吉弥さんが、茨木市内でずっと続けている落語会「春日寄席」。
新型コロナ感染症の影響で、今年は3月から延期が続いていましたが、6月28日29日に、感染防止の対策をして再開しました。
【茨木出身の落語家・桂吉弥さんの春日寄席、5月3日で300公演達成!】(2017年4月)の記事でも紹介している春日寄席。
「頭をひねって、いろいろ対策して…。こんな感じで頑張ってるのよ」と、春日寄席として自宅スペースを提供している丹羽久子さん。
その様子を紹介します。
「なんとしても寄席を再開したい」
茨木市春日に手づくりで用意される、春日寄席。
毎回、50人ほどのお客さんを集めた寄席も、今年は新型コロナ感染症の影響で3月からは延期になっていました。
春日寄席は、故・桂米朝さん宅での修行を終えたばかりの吉弥さんへ「お客さんの前で落語をする場所を」と、吉弥さんのご家族と丹羽さんが始めました。
人の前で話をする大切さを、吉弥さんを通して知る丹羽さん。「こんな時だからこそ、落語をする場を若い人にも」と、できる限りの感染防止対策を講じて、準備しました。
約50人が肩を寄せて楽しんでいた客席は数を半分にし、間をあけて座ります。マスク着用は必須。いつもは途中で提供していた、お茶やお菓子もありません。
お客さんに渡すうちわも、消毒済み。もちろん入り口では検温もします。
室内の空気をきれいに保てるように、清浄機も新たに設置しました。「春日寄席の再開のために給付金を使ったの。ピストルみたいな形の体温計も」と丹羽さん。
そして、この日一番びっくりした感染防止対策が、これ。
吉弥さんもお弟子さんも!
(提供:丹羽さん)
高座に上がった桂吉弥さん。
吉弥さんだけじゃなく、皆さんフェイスガードをつけていたんです。
(提供:丹羽さん)
桂弥壱さんもフェイスガード。私は初めてお目にかかる噺家さんですが、初対面がフェイスガード越し…というレアさ。
(提供:丹羽さん)
桂弥太郎さんも、はじめまして、です。でも、マスクなんかじゃ口元が隠れてしまう。落語はやっぱり表情が見えるから楽しいものです。
(提供:丹羽さん)
「ここへ到着するまでは『嘘やろ?』と信じてなかった‥、でもホントでした」と桂弥っこさん。
食べるシーンでは、フェイスガードが動作の邪魔になったりと、それもまた客席の笑いを誘っていました。
しかも、このフェイスガードは、
名前入り!
感染防止対策とともに、紛失防止にもなるという(笑)。
「できない…」が続くなかで「なんとか再開したい!」という思いで、準備されたこの日の春日寄席。
お客さんも、待ちに待った寄席に思いっきり笑って楽しんだ様子です。
6月29日(日)の夜の回終了後には、皆さんで打ち上げを。
「人前で声を出していなかったから、心配していた。いつ落語ができるか不安だったので、本当にありがたい」という、弥っこさんらお弟子さんの話に「一日3回、6回演じて、どんどん変わっていったもんね」と、春日寄席を支える皆さんも嬉しそうでした。
大きなホールで多くの観客の前で独演会をする吉弥さんも
「マイクを使わない、自分の声で演じることが大切。今でもそのことは感じている」と、地元で作られる場に「感謝の気持ちでいっぱい」と話していました。
いろんなことが、今まで通りに実施しづらくなっています。
春日寄席では「どうしたら、今までに近い形、大切な土台を大きく変えずにできるのか」と試行錯誤しながら、新しい方法を取り入れていらっしゃいました。
「お客さんの中には『あの子はここで私が育てた』ってぐらいの思いで通っている人もいるんじゃない?息子を見守るような気持ちで」と笑う丹羽さん。
目に見えない温かいものを、大切に守っていってる場なんだなぁと改めて感じました。
タグ:春日