「おうち学童」って?-忙しい親を支える2番目のおうち
はい、茨木ジャーナルです。
この春、茨木市内の職場や学校で新年度をスタートさせた人や、茨木市に引越して来られた人もいらっしゃるでしょう。
小学生の子を持つお父さんお母さんにとっては、子どもが放課後や長期の休み期間にどう過ごすかは気になるところ。
今回は、茨木市の民間学童教室「おうち学童」を紹介します。
4月1日に3校目となる下中条校もオープンしたおうち学童。新中条校(2校目)で代表の馬渕紀彦さんに、話をお聞きしました。
「地域でなにか活動をしてみたい」と思っている人にも、おうち学童のことを知っていただけたらなぁと思います。
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おうち学童って、どんなとこ?
学童保育室とは、小学校に通う児童を放課後や長期休み中に預かる場所。
茨木市学童保育室は、市立各小学校内で開室されています。(2021年度は清渓・忍頂寺小学校を除く30校で)
ほかに11室の民間学童教室が茨木市内に届け出され、その一つがおうち学童です。
【茨木市民間の学童保育】ページ参照。
茨木市新中条にある民間学童教室「おうち学童」は、2012年に「仕事で忙しいお父さんお母さんが、少しでも心にゆとりを持てるように」と願って開室しました。
(写真はおうち学童新中条校)
訪ねたのは、夜7時過ぎ。
まだ残っている子どものために、スタッフが夜ごはんの支度をしていました。
―― おうち学童は、一軒家を活用していて、本当におうちのようですね。
馬渕紀彦さん「子どもたちにとって、ここが第2のおうちになったらなぁと思っています」
―― ここ(新中条校)は中条小学校の近く。利用しているのは?
「全体の6~7割の子どもが中条小学校に通っています。3割ほどが校区外から。
4月からは下中条校もオープンしました」
―― 茨木市の小学校に学童保育室(以下、学童教室)があります。おうち学童の特徴は?
「一番わかりやすいのは、預かる時間かな」
―― 何時までですか。
「基本は19時まで。それより早く帰ってもいいし、延長の希望も、事前に連絡があれば22時まで対応しています。夏休みなどの長期休暇も同じです」
―― 時間が遅い日の帰りは?
「保護者に決めてもらいます。迎えに来られる方がほとんどで、校区外の場合は、迎えにきてもらいます。事前に連絡があれば送迎も。別途料金がかかりますが」
―― 仕事でどうしても遅くなるってこともありますね。
「19時まで預かるとしても、迎えに行くなら職場を18時ごろに出ないといけない。お迎えが遅くなる場合、希望があれば夕食も提供しています」
―― 夜ごはんを食べてくれてると思うと、気がラク。
「一日働いて、帰宅。座る間もなく食事の用意って大変ですよね。働くお父さんお母さんに、時間のゆとりを、という思いでおうち学童を作りました」
「実は、子育てに積極的ではなかった…」
―― 馬渕さんは、保育や学童について関心があったのですか?
「実は、もともと関心があったわけではなくて。自分の子どもが小さいときも、積極的に関わってなかったし」
―― どうして学童保育を?
「学童保育事業って、もっと必要になるだろうなぁと考えていたんです。
もともと、自分でできることはないかなぁと考えるタイプ。学童保育のことを調べ始めて、やってみようと思いました」
―― 育児に関わってこなかったけれど。
「はい。うちの子がまだ幼いころ、妻が入院したことがあるんですね。そのとき初めて『寝かしつけるだけでこんなに大変なんだ』と知ったぐらい、任せっぱなしでした」
―― その期間の食事などは?
「いやぁ、実家を頼っちゃいましたね」
―― 家事と子どものことと仕事。やりくりの大変さを実感した、ということは。
「んー、私は実家を頼ったからなぁ」
―― では、どうして学童保育を?
「そうですねぇ、今から思うと、なんですけど…」
―― はい。
「実は、自分が小学校のとき、あんまり楽しくなかったんです。
父親が亭主関白でドーンとしていて、母親が気を遣って忙しく大変そう…みたいな」
―― お母さんだけが大変そうだったイメージですか。
「働いているお母さんがみんなそう、というわけじゃないでしょうけど。
でも、学童のことを調べてみると『大変で』という声は、お母さんからのものが多かった。
それを見て、自分の子ども時代と重なったんです」
―― そうだったんですね。
「仕事で忙しいうえに『子どもに寂しい思いをさせてるかも』『我慢させているんじゃないか』と不安を抱えている親の声もありました。
それで、子どもを持つお父さんお母さんをサポートしたいと考えました」
―― それが、学童保育だったんですね。
「私も、子どものころは母親の楽しそうな顔を見たかったんですよね」
―― あぁ、なるほど。
「笑顔って、心に余裕がないと出てこないでしょ。
仕事と家事で時間に余裕がなければ、心に余裕も持てない。だから、お父さんお母さんに、時間の余裕を持ってもらえるサポートをしたかったんです」
おうち学童へよくある質問-長期休暇は?親の関わりは?
(部屋のいろんな場所に子どもたちの作品が)
―― おうち学童は、年度の途中からでも利用できますか?
「もちろん。
仕事や引越しの関係だったり、お稽古に通わせたいからおうち学童へという人もいます」
―― お稽古。その時間だけ抜けられるんですか?
「はい。駅まで送迎してほしいとか、事前に連絡があれば対応できます」
―― え、個別に対応も?
「あ、別途料金はかかっちゃいますけど」
―― あ、そうですよね。
「送迎やごはんの用意でも、みんなと一緒にすることは基本料金に含まれています。その人のためにすることは、別で料金がかかります」
―― ほかにどんなことが、おうち学童の利用のきっかけになるんでしょう?
「小学校6年生まで利用できるから、と利用している人もいますよ」
―― 夏休みなどの長期休暇のお留守番は気になるかも。
「長期の休み中も生活習慣を崩さないようにして、その上でいろんなカリキュラムを用意しています」
(みんなで渓流体験へ出かけたことも!)
―― なるほど。長期休み中はほかにどんな特徴が?
「一日を過ごす場合は、お昼ごはんも食べますよね。お弁当を持参してもいいし、おうち学童でごはんを提供することもできます」
―― ごはんを用意してくれるのは、ありがたい!
「多様なカリキュラムも子どもたちが自分で選びます。電車に乗って、みんなでお出かけすることも」
―― 夏休みって、小学校のプールもありますよね?
「はい。おうち学童から通っています。そのご家庭でやりたいことをサポートする、という考えです」
―― ほかにどんな質問がありますか?
「そうですねぇ、保護者の関わり方かな」
―― 行事や役員とか?
「おうち学童では、基本的に保護者にお願いする役割などはありません」
(夏祭りは子どもが企画。親はお客さんとして楽しめます)
―― 保護者が参加するイベントも?
「夏祭りと餅つき大会が、子どもの様子を知る機会。
夏祭りは、子どもたちがイベントブースを考えて、お父さんお母さんが、お客さん。ダンスをしたいという子どもたちがステージを企画することもあります」
―― 学校行事だけでも、仕事との調整は大変ですもんね。
「学級閉鎖でも『予防接種をしていて熱がなく元気なら来ていい』というルールです」
―― 去年は、新型コロナの感染拡大防止で、学校が休みになりましたよね。
「おうち学童も、悩んだ末にずっと開室しました。
在宅ワークに切り替わったり仕事が休みになり、おうち学童の利用を控えたご家庭もありましたが、変わらず通勤する人も多くて『助かった』との声は多かったです」
―― 大変でしたね。
「どこまで消毒をしたらいいのかとか、3密の回避などスタッフは大変な思いをしました。でも、それを機に、オンラインのカリキュラムを増やすことができました」
シニア世代やお店さんと「場」を作りたい
―― 2012年からスタートしたおうち学童。ここは2校目ですね。
「1校目は、地震と台風で傷んでしまって。2校目を改修し始めた時期だったので、すぐに子どもたちを受け入れることができました。プロパンガスだったおかげで、利用会員さんにはお風呂も使ってもらいました」
―― この4月には3校目もスタート。
今後に向けて、おうち学童として考えていることはあるんでしょうか。
「まずは、子どもたちにとって、安心できる場所であること。
大人になったときに、自分で考えて行動していける人になってほしいんです」
―― 大切ですね。
「いろんな経験を重ねると『やってみよう』と前向きに考えられると思うんです。これまでに300以上のカリキュラムは用意しました」
―― 300のカリキュラム…!
「でも、多く揃えたらいいってわけでもない」
(「にがてなこともやってみないとわかんないよ」と子どもが書いた言葉)
―― なるほど。
「やってみようと思えるかどうかは、子どもたちにとってここが安心できる場所かどうか。安心できる場所があれば『やってみよう』と行動できると思うんです」
―― 居場所みたいな。
「そうですね。第2のおうち、という空間。
子どもは機嫌のいい日ばかりじゃない。元気じゃないときの子どもにどう接するかなど、日々スタッフとも考えています」
―― 預けるお父さん、お母さんたちにとっては、どうですか?
「たまには送迎を頼んでみてもいい。お父さんお母さんが、少しでも気持ちを楽にしてもらえるようなサポートをしたいです。おうち学童で宿題を終わらせたり(笑)」
―― おうち学童を通して、実現したいことってありますか?
「地域のなかで子どもを育てられる環境を整えたいですね」
「おうち学童のシニア世代のスタッフが、子どもたちのことを『本当の孫みたいだ』って言ってるんです。
裁縫を教えたり、子どもと関わることが、シニア世代の楽しみにもなるようです」
―― 世代を超えた交流は、子どもにとっても貴重ですね。
「親や先生じゃなくて、近所の人に怒られたり褒められたりする経験って貴重ですよね」
―― 地域の中で育ててもらうというか。
「はい。おうち学童では、商店街や市内で働く人との交流もしているんです。地域に還元できる仕組みを作れたらなぁと考えています」
―― 地域の拠点のような。
「子どもの居場所としてはもちろん、地域のプラットフォームのような役割ができればいいなぁと思っています」
―― それが子どもたちにとっての深い経験になるかもしれませんね。
「子どもたちや地域の様子と合わせて、いろいろ考えていきたいです」
―― 楽しみなお話です。今日はありがとうございました。
おうち学童の説明会はいつでもお気軽に!
おうち学童では、ご希望に合わせて説明会を開催しています。
小学校生活のことや、学童保育について知りたい人向けに次のような内容でご案内しています。
・小学校生活と働く親の困りごとの話
・おうち学童はどんなところ?
など、気になることをご連絡をいただければ、日時を調整して実施しています。
すぐにおうち学童への入会予定がない方や、なんとなく学校生活について知りたいなぁという方も、ご参加いただけますので、お気軽にお問合せください。
【おうち学童】
所在地: ☆新中条校(2校目) 茨木市新中条町8-9 茨木市立中条小学校から東へすぐ。 ☆下中条校(3校目) |
お問い合わせ電話 072-629-2321 |
【https://ouchi-gakudo.jp/】ページの一番下に、申し込みフォームがあります。 ページでは、保護者の声や簡単な案内なども動画で見ることができますよ~。 |
【おうち学童HP】 |
タグ:子育て