井於神社、茅の輪くぐりは7/6まで。昔の風情たっぷりの蔵垣内で
はい、茨木ジャーナルです。
今日は7月1日。2020年の後半がスタートしました。
あっという間に一年も折り返し。
知らず知らずに積もった、あんなことやこんなことをお祓いして無病息災を祈願する「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」へ、行ってきました。
今年は、茨木市蔵垣内にある井於神社へ。
(写真は2020年6月20日)
参道の隣がもう摂津市で、ちょっと行くと吹田市で…という、なかなかのギリギリな場所にある井於神社は、昔の風情が漂うなかにフッとあって、本当に静か。
こっちの道はどんなのかなぁ…と、自転車で走っていて出会った神社です。
(写真は2020年6月20日)
私が行った6月後半ごろには、ちょうど夏越の大祓の案内が設置されていました。
井於神社では、7月6日(月)の15時まで輪くぐりができます。
(写真は2020年6月20日)
大きな鳥居の先にある門をくぐると広がっている境内。私はこの時初めて井於神社へ行ったのですが、思わず「わぁ」とその場で立ち止まってしまいました。
(写真は2020年6月20日)
通りからは見えなかったのですが、広くて静かで、でもなぜか親しみを感じて…、それで「今度の茅の輪くぐりは井於神社へ行ってみよう」と思ったのでした。
雨の茅の輪くぐり
6月30日の茨木市は、雨だけでなく風も強い日でしたよね。茅の輪くぐりも、この天気じゃ人は少ないかなぁと思っていましたが、行ってみるとお近くの人がちらほら来られていました。
雨のせいもあり、屋根のある絵馬所で順番を待つ人が何人かいらっしゃって、自然と「前の人と間隔をあけて」…が実践されていました。
(写真は2020年6月20日)
絵馬所に設置されている夏越の大祓の案内板は、茅の輪のくぐり方の解説付きという親切さ。順番を待ちながら、予習ができてありがたい~。
この解説のおかげでしっかりお参りもでき、そのあと茅の輪御守りをいただきました。案内の紙には「和菓子の販売は中止」と書いてあったので、いつもはここで和菓子も買えたのかな。
御守りを買うときに、井於神社のお祭りのことも聞いてみました。
地域の人のよりどころに-井於神社
井於神社では、毎年夏と秋にお祭りを行っていますが、今年は一般の人が楽しめる露店(夜店)は並びません。
また、地域の人が主体的に関わり大好評だった「マルシェ」も、中止なんですって。行ってみたかったぁ。
先日、蔵垣内のかどや酒店の角本さんが「井於神社さん、地域の人に喜んでもらえるようにって考えてはるみたいですよ」とおっしゃっていたので、神主さんにも話をお聞きしました。
(写真は2020年6月20日)
もともと井於神社は、三宅村宇野辺に鎮座。今の蔵垣内に遷座して500年以上。氏子の方は、茨木市の宇野辺、丑寅や蔵垣内周辺から摂津市までと、広くにいらっしゃるのだとか。
「三宅村」と聞いて、そういえば井於神社から東にある蔵垣内公園に「三宅城跡」という石標があったなあと思い出しました。このあたりも城下町なのでしょうか?
「城下町というか『蔵垣内』という地名にあるように、蔵の役割、作ったものなどを保管しておく場所として残っているようです。周辺の道やおうちにも、昔の雰囲気が残っています」と神主さん。
いただいた井於神社のパンフレットにも「井於連(いおのむらじ)が氏神として崇敬した井の神(水・泉の神)で」という文言がありました。
(手水舎には氏子の方から寄せられたアジサイが飾られていました)
三宅村の田畑のために使う水を守る神として信仰がささげられていたのだそうです。
この日が雨だったことと、田んぼや長い年月を重ねているような外塀のある風景が頭に浮かんで、話を聞きながら「今日、ここへきてヨカッタなぁ」なんて感じました。
案内してくださった本殿の奥は(写真には撮っていませんが)、元禄時代のもので、手入れが大変なんだそう。天井近くの飾り彫り部分も「彩色が、薄くなってたというか、ポロポロと落ちやすくなっている」とおっしゃっていました。
2018年6月の大阪北部地震でも、神社全体であちこちに被害があり、境内の木も何本かは伐採したのだとか。
(写真は2020年6月20日)
本殿の手前にある絵馬所も、屋根を支える脚部分ごとごっそり台座から落ちていたり、その奥の(写真で絵馬所の向こうに見える)燈籠も石が落ちて大変だったそう。
「燈籠や狛犬やらも、みーんな江戸のころのもの。傷んでも、簡単に直せない、修復がムズカシイので大変です」
それでも、キレイに手が入れられていて清らかな気持ちになれる神社でした。
そうそう!本殿には「奉納開算近道紀」という額も飾ってありました。
■【井於神社HP 算額について】参照
江戸時代、数学好きの人たちが自ら難しい問題を作って絵馬にして神社に奉納をしたものだそう。昔の文化や暮らし方のようなものも井於神社に残っているようでした。
絵馬所には、氏子の方が奉納されたという絵や句も飾られていました。手水舎のアジサイもそうですし、地域の方たちに親しまれている神社なんだなぁと感じました。
「大きなお祭りやイベントをやるのもいい。でも、もっと普通の毎日に近いところにこの神社があったら、という気持ちもあります」と神主さん。
子どもがここで遊んで、親が一緒に遊んだり見守ったり、親同士でなにかをしたり…、そんな風景が自然と生まれたらとおしゃっていました。
「なんでもダメと禁止するのでなく、自由に主体的に考えて過ごせる場所になれたら」という井於神社。
(写真は2020年6月20日)
茅の輪くぐりは、7月6日15時まで。5日の日曜までは夕方でもゆっくりくぐれます。静かな住宅街のなかにあり、どこか懐かしさも感じられますよ!
【井於神社】
所在地:茨木市蔵垣内3-5-15
電話: 072-622-8689
☆本殿でのご祈祷もしていただけます。初宮参り、七五三、厄除けなど人生の大切な節目に。